2024年4月の「負債1,000万円未満」倒産 40件 3カ月ぶりに前年同月を上回り、40件台が続く
2024年4月の倒産40件、3カ月ぶりに前年同月を上回る
2024年4月の負債1,000万円未満の倒産は40件(前年同月比21.2%増)で、4月としては2年ぶりに前年同月を上回った。 コロナ禍当初は、経済活動が縮小し、事業規模に関係なく急激に業績が悪化した。そのため、経営体力がぜい弱な小・零細企業の倒産は、2020年6月94件、同7月83件と急増した。その後は、コロナ関連の資金繰り支援策に支えられ、月平均件数は2021年39件、2022年34件と、企業倒産は抑制された。 2023年は支援効果の希薄化と、ウクライナ情勢や円安による物価高、人手不足による人件費の上昇などで、2023年の平均件数は41件と増勢に転じた。今後も物価高や人件費上昇が収まる状況にはなく、資金余力が乏しい小・零細企業の倒産は緩やかな増勢をたどるとみられる。
【産業別】10産業のうち、4産業が前年同月を上回る
産業別は、10産業のうち、4産業が前年同月を上回った。 最多が、サービス業他の21件(前年同月比75.0%増)で、2年ぶりに前年同月を上回った。構成比は52.5%(前年同月36.3%)で、半数以上を占めた。 また、製造業3件(前年同月比50.0%増)と小売業4件(同33.3%増)が2年連続、情報通信業が4件(同100.0%増)で2年ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。 一方、建設業は5件(同37.5%減)で2年連続、卸売業が2件(同33.3%減)で2年ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。不動産(前年同月2件)は、4年ぶりにゼロだった。 このほか、運輸業が前年同月と同件数の1件。また、農・林・漁・鉱業は2年連続、金融・保険業は2019年以降、4月では発生していない。 業種別では、受託開発ソフトウェア業3件(前年同月2件)、デザイン業と酒場,ビヤホール、理容業、エステティック業、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所 が各2件、土木工事業とタイル工事業、一般電気工事業、冷凍水産食品製造業、製缶板金業、アプリケーション・サービス・コンテンツ・プロバイダ、菓子・パン類卸売業、鉄スクラップ卸売業、野菜小売業、菓子小売業、化粧品小売業、社会保険労務士事務所、バー,キャバレー,ナイトクラブ、配達飲食サービス業、訪問介護事業、産業廃棄物収集運搬業が各1件などで、前年同月を上回った。