“糖尿病にならない体”を半年間トレーニングで目指す~糖尿病予備軍の70代男性が決意した未来~
chapter03 EBHSについて
今回、岡田さんの「健康度合い」を示す指標として「EBHS Life」を使用しました。 「EBHS Life(エビスライフ;以下、「EBHS」と呼びます)」とは、「科学的エビデンスに基づいたヘルススコア(Evidence Based Health Score Life :EBHS Life)」のことです。 医師の中川悠樹先生に簡単に解説していただきます。 編集部: EBHSとは何ですか? 中川先生: EBHSとは、日本人の健康状態と平均余命の関係に注目し、個人の健康状態を包括的にスコア化した新たな標準健康指標です。 複数の検査数値を持つ健康診断データや、ゆらぎの多い生活習慣のデータを、AIを用いて誰でも理解できる単一の数値にしました。 編集部: どのように測定するのですか? 中川先生: 健康診断の結果および生活習慣等のアンケートのデータを元に、EBHSアルゴリズムを搭載したAIが、受験者の将来的な疾病リスクや余命を予測します。 EBHSアルゴリズムの構築に使われたのは、約5万人分の健康診断/生活習慣データや、3千件以上の寿命予測に関する論文レビューなど、エビデンスの高いデータです。 日本人平均のEBHSを100とし、平均よりも健康状態が良いとEBHSも高く算出され、健康状態が悪いとEBHSも低く算出されます。 編集部: 岡田さんの結果はどうだったのでしょうか? 中川先生: 平均値100のところ岡田さんのEBHSは114.9と、平均よりかなり高い(EBHS +14.9)結果でした。 先ほどの結果を踏まえて、本人、中川先生、トレーナーの笹森さんにお話を伺います。 〈岡田さん〉 編集部: EBHSの結果はどうでしたか? 岡田さん: 「あなたの寿命」が約89才と出ました。私の実父が89才、母方祖父が92才で他界したので、この結果はかなり近いのではないかと思います。 編集部: 半年後に再測定する予定ですが、どのくらいの数値を目標にしますか? 岡田さん: 数値はこのままを維持して、足腰回りの筋肉を柔軟にしたいですね。 〈中川先生〉 編集部: 岡田さんのEBHSスコアはどうですか? 中川先生: 純粋な健康診断結果だけを見ると、岡田さんはいわゆる「ひっかかる」数値が多いのですが、同年代の他の方と比較した際に良い数値となっているため、EBHSが高く表示されました。 編集部: では、具体的な改善プランを教えてください。 中川先生: やや軽度の肥満ですのでまずは運動することをお勧めします。これから「T-fitness」に通われるとのことですので期待しています。 飲酒習慣については、1回の量は適正ですが毎日飲むのは考えものですね。休肝日を設けましょう。 また、HbA1c(※)がやや高いため、糖質の取りすぎに気を付けることをお勧めします。それでも高いようでしたらかかりつけの病院で一度相談してみると良いかもしれません。 ※HbA1c:赤血球中のヘモグロビンのうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す値。直近1~2ヶ月の血糖値の平均が反映され、この間の血糖値が高い人はHbA1c値も高くなる 〈笹森トレーナー〉 編集部: 今回の岡田さんのEBHSはいかがですか? 笹森さん: 素晴らしいの一言ですね! 奥様が毎食、野菜やおかずなどをバランスよく作られているということでしたので、その貢献も大きいはずです。 「運動して体力をつけたい」「糖尿病予備軍をなんとかしたい」というのが、企画参加の理由でしたが、今の食事内容を継続しつつ、運動習慣を身につけていけば、EBHSスコアだけでは測れない「健康寿命」もどんどん伸びていくのではないでしょうか。