畜産敷料の生産施設建設 近く着工、25年度稼働へ 龍郷町
鹿児島県龍郷町は、町内の畜産業における牛舎の敷料不足を解消し供給の安定化を図るため、新たに敷料生産施設の建設を計画している。8日の町議会最終本会議で、2024年度敷料生産施設新築に関する工事請負契約議案が可決された。同町大勝の用地(約8千平方㍍)に新設し、工期は10月中旬~来年3月末の予定。25年度からの稼働を見込んでいる。 町農林水産課によると、町内の畜産農家は14戸、肉用牛の飼育頭数は約350頭(24年2月現在)。23年度の出荷頭数は261頭で、売り上げは計1億4064万7100円だった。 施設建設は、島内のチップ工場閉鎖などに伴い、牛舎の衛生管理のために必要な敷料の入手が困難となっていることが背景。 事業費は24年度当初予算に1億2500万円を計上した。費用の6割は奄美群島振興交付金で賄う。建物は鉄骨造平屋建てで延べ床面積は625・98平方メートル。 原料は町の公共事業や集落清掃などで出た伐採木を破砕して利用する。このほか、町は9月12日、九州電力送配電・奄美配電事業所(奄美市名瀬)と伐採木の搬入に関する覚書を締結。同社が所有する島内施設の維持管理に伴い伐採した木材を受け入れる。稼働後は年間913立方メートルの敷料生産を見込んでいる。 町は25年度、敷料生産施設に隣接して堆肥生産施設も建設する計画。町内の畜産農家が提供した牛糞を用いて堆肥を生産する。26年度からの稼働を予定している。
奄美の南海日日新聞