「考える力」で立ち直った、敗れても財産 福岡西陵・平山輝投手
(2日、第106回全国高校野球選手権福岡大会1回戦 西南学院8―1福岡西陵) 「テンポよく投げて打ち取ろう」。四回表、無死満塁のピンチで継投した福岡西陵の平山輝(ひかる)投手(3年)はそんな気持ちでマウンドに立った。 【写真】西南学院―福岡西陵 四回表、無死満塁のピンチで継投のマウンドに立つ福岡西陵の平山輝投手(右)=2024年7月2日午後0時54分、春日公園、釆沢嘉高撮影 3点先行され、これ以上失点したくない。緊張したが、直球とカーブをうまく織り交ぜ、打者2人を打ち取った。3人目も詰まらせたが、転がった場所が悪かった。三塁内野安打となり、2失点。制球が乱れ、続く五回も3点を失った。 そこから気持ちを切り替えた。「ストライクを取ることだけに集中しよう」。テンポを意識し直し、六、七回を無安打に抑えた。 状況を分析し、高ぶる気持ちを抑え、できることを徹底する――。試合には敗れたが、「考える力」を発揮して立ち直った。小学生から続けた野球で身についた財産、だと思う。(中村有紀子)
朝日新聞社