ふぉ~ゆ~、キャリアに裏打ちされた確かな実力 ツアー『"PANIC"』観客を全力で楽しませる姿
「夏のライブでみんなに会えるのは幸せです」ーー福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介の4人組アイドルグループ ふぉ~ゆ~のライブツアー『ふぉ~ゆ~ LIVE TOUR 2024 "PANIC"』が7月11日の神奈川県民ホールを皮切りに、7月14、15日には名古屋国際会議場 センチュリーホール、続く7月23~25日の3日間はTOKYO DOME CITY HALLにて開催。そして8月12、13日には大阪・オリックス劇場公演と、全4都市9公演で2万2500人を動員した。 【ライブ写真】煌びやかな衣装でステージに立つふぉ~ゆ~ 現在メンバー全員が37歳の4人組アイドル、ふぉ~ゆ~。様々なステージで培ってきたキャリアを活かし、どのグループにも負けない熱量に溢れる、この夏一番熱いステージを届けた。本稿では7月25日昼に行われた東京公演の模様をレポートする。 会場には、ライブグッズである4人それぞれのうちわを持ち、各メンバーがアメコミ風に描かれているTシャツを着たファンたちが、“4U”の文字のペンライトなどを点灯させてはじまりの時を待ちわびる。開演前には、メンバーが日替わりで場内アナウンスを行うのだが、この日は辰巳が担当。注意事項を一通りアナウンスしたあとは、「感情を高ぶらせてお待ちください」とひと笑いを振りまいて来場客をもてなした。 暗転するとまぶしい光がステージを照らす。激しい音と光が交差する中、「It’s Show Time!」の声が響くと4人のシルエットが登場。「東京、準備できてるのか!?」と会場を煽る声にオーディエンスも呼応。そして4人が姿を現すーー。 のっけからオーディエンスを沸かせた楽曲のひとつが「コール&レスポンス 4U.」。ヒャダイン作曲のパワーソングに合わせて、福田担(=福田のファン)はジャンプを、辰巳担は腕を左右に振る腕ワイパーを。越岡担は左右に腰を振る腰振り。そして松崎担は、松崎の「せーの」に合わせて、圧巻の「トゥクストゥールー」(松崎の持ちネタ)を披露した。 なにわ男子やTravis Japanといった後輩グループの写真で沸かせた後、「でもふぉ~ゆ~はもっとよろしくね!」と笑いを誘う。そして、“おともだち”(ふぉ~ゆ~ファンの総称)の声が一層激しさを増したのが、メンバーの「ふぉ~」に、オーディエンスが「ゆ~」と返すコール&レスポンスだ。事前に公式YouTubeチャンネルで動画解説を公開した甲斐がある。その後も会場全体を使った演出で楽しませたほか、ペンライトを消したらまさかの出来事も……。ふぉ~ゆ~のエンターテインメントを詰め込んだパフォーマンスで、メンバーもフルスロットル。会場は早くも熱気に包まれた。 今回のライブツアーのために用意した新曲「PANIC」は、フェスのような盛り上がりを目指し、メンバー全員で工夫を凝らしたという。実際に音に合わせて自然と体が動くような、夏にぴったりの楽曲で彼らのディスコグラフィーに新風を吹き込んだ。また、今回は彼らの公演史上初となる“スーパーパニックバンド4”の生演奏によって馴染みの楽曲もパワーアップ。厚みのある音とド迫力な演奏でライブを盛り上げた。 「そばにBuddy」では、福田の「第1回チキチキ」の声で始まるコーナー「PANIC or NO PANICタイム」へ。騒ぐ「PANICタイム」と、しっとり謎めいた「NO PANICタイム」を会場のみんなで楽しんだほか、最新鋭のくじ引きによりメンバーが1階から3階に散らばって客席を回る大胆な演出も。 1階の福田は「NO PANICタイム」でなめくじのものまねを披露し、「角を作るな……動きに角をつけるな」とファンにアドバイスを送ると、辰巳は「俺、そういうおもちゃ持ってた。怖かったやつだ」と語る。3階を回った越岡は、通路に腰を下ろすと周辺のファンがうちわで扇いで風を送るなど、まるで涼を取る王様のような状態に。そんなファンのノリの良さも盛り上げに一役買っていた。その様子に福田は「こっしーが王様みたいになってる!」「バカンスに来てる金持ちみたい」と笑いを誘った。 また、2階を走り回った松崎に対して辰巳が「今日は雑誌とかいろんな記事を書いてくれる人たちいっぱい……」と心配すると、松崎は報道陣が座る関係者席に向けて「いい記事書いてください! ふぉ~ゆ~は全国っていうか世界に……」と挨拶。「今日はお忙しいなかありがとうございました!」と締めくくると、福田と辰巳が「まだ終わってない」とツッコミ。そして辰巳の呼びかけにより、ファンと共に声を揃えて「ふぉ~ゆ~を、よろしくお願いします」と直球アピールする場面も。“来場者みんながおともだち”と言わんばかりに、会場の隅々まで巻き込んで盛り上げるふぉ~ゆ~ならではのひとときを届けた。 MCではステージ中央に木と芝生が置かれ、ピクニックタイムに。メンバーが口々に水分摂取を呼びかけたほか、越岡の計らいで「気づいたときには熱中症!」と会場で揃って呼びかけた。 辰巳は「いや~嬉しいね! いっぱいのお客さんの中でこうやってライブできるのは」と感慨深げ。越岡は「ちょっと観づらいよね」と上階のファンを気遣っていた。辰巳は「色んな気分を味わいたい」と、MCタイムをピクニック仕様にした経緯を説明。越岡も「夏にやることなかったもんね」と続け、福田も「夏は格好からということで夏っぽい格好を」と季節を意識したと話す。写真に残ると聞いた越岡がハーフパンツの丈を整えていると、松崎が「脚きれいだな~」とぼそり。福田も「膝小僧がピクピク言ってる、膝小僧で喋れる? 喋ってみて」と振ると、越岡が間髪入れずに声色を変え「こんにちは、膝小僧です」と応えてみせた。 その後もファンを巻き込んだ会話のラリーが続き、越岡は「いいね、教育できてる~」、福田も「完璧なチームワークだよね」と称賛。すると辰巳が「ふぉ~ゆ~のライブのお客さんのことを、このコンサート作ってる関係者の中では共演者って呼んでる」と話すと拍手が。松崎は「共演者ー!」とさらに盛り上げた。 その後も会話がコロコロと転がり、福田、越岡、松崎による『ライオン・キング』のような即興劇がスタート。福田が「シンバやってた人いる?」と会場に呼びかける一幕も。 ようやく4人が芝生に腰を下ろすと、福田が「芝生に座るとさ、普段言えないことが言えたりするからね」とぽつり。辰巳が「みんなの気持ち的にやっぱり夏のライブは少し違う?」と問いかけると、オーディエンスからは「違う!」の返答が。福田は「開放的だよね!」と続けると、松崎が「違うってどう違うの?」と言い、「では心の中を読み取ります」としばし沈黙。「夏は暑いじゃない? 会場はもっと暑くない? 最高だって!」と読み取れた声を披露すると、越岡と辰巳が倒れる。残った福田に対して、松崎が「もっと言うと暑いじゃない? 人間汗かくのよ、太陽、サンシャイン……」で福田も倒れていた。 辰巳は「ライブのセットリスト考えるときもね、夏のライブだからみたいなのはすごい考えたしね」と制作秘話を明かすと、メンバーも「楽しかったよね」と口々に語るなど、4人総出の即興コントのようなトークで楽しませた。 改めて辰巳は「夏のライブでみんなに会えるのは幸せですわ」としみじみ。下半期に勢いがつくと語り、堂本光一が主演を務める舞台『Endless SHOCK』の話題に。 福田と辰巳は9月から開幕する博多座公演に5年ぶりの出演を果たす。越岡は「体力つけろよ! 俺ら2カ月やったから」とアドバイス。松崎も「何か不安なことあったらすぐ連絡して」と貫禄たっぷりに語ると、「さすが堂本光一の次に『SHOCK』に出てる男!」と辰巳。 すると越岡は「不思議だよね。『SHOCK』の七不思議の一つだよね、松崎が2番目っていうの」と続けると、福田も「しかもさ、あんまり(メディアに)取り上げられてないよね」と指摘。松崎は「頼む! 記者のみなさん、みなさん、お願いします!」と関係者席に呼びかけて笑いを誘った。辰巳は「すごいよね! 1500は超えた?」と出演回数を聞くと、松崎は「1600……いかないくらいかな? 光一が俺のことを離さない」と得意げに語り、『Endless SHOCK』の舞台で堂本のフライングをキャッチする際の仕草をやってみせた。