S&P・ナスダックが終値で3日連続の最高値、大型テック銘柄の市場支配に懸念の声も
米国株式市場は12日、S&P総合500種とナスダック総合が3日連続で終値での最高値を更新した。 5月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は市場予想を下回ったことが材料視された。また米連邦準備理事会(FRB)は12日まで開いた会合で、政策金利を据え置いた。 ただ午後に入り、年内の利下げについてFRBが1回のみとの見通しを示したことを受け、日中高値からは下げて取引を終えた。前回の見通しでは年内3回との想定が示されていた。 ダウは0.09%安だったがS&Pは0.85%上昇。ハイテク株中心のナスダックは1.53%上昇。 市場をけん引しているのは、今週新型iPhoneにAI機能を搭載すると発表したアップルだ。株価は約3%上昇した。同社の時価総額はマイクロソフトを抜き、世界で最も価値のある企業に返り咲いた。 ウェルス・アライアンスのエリック・ディトン社長は、メガキャップ・テクノロジー企業の市場支配が続いていることは懸念すべきことだと語る。 ウェルス・アライアンス エリック・ディトン社長 「現在、3銘柄がS&Pの20%を占めている。これまでにこんなことがあっただろうか?これほど不均衡な状況は初めてだ。その犯人はマイクロソフト、エヌビディア、アップルだ。(中略)これはまさに二層構造の市場だ。市場は狭く、上昇銘柄と下落銘柄の比率が逆行していて、新高値と新安値も逆方向に進んでいる。小型株は、過去3年にわたり年間平均マイナス4%だ。つまり大型ハイテク株が市場をけん引している。これがどこまで上がるのか?誰にもわからない」 マイクロソフトの株価は2.86%上昇し、半導体大手のエヌビディアは3.55%上昇した。またオラクルは、市場予想を上回る大幅な収益成長の見通しを示したことから13.32%急騰した。