アニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』出演・津田健次郎さん「ウルフの未成熟さが面白い」
アニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が、12月27日に公開されます。J・R・R・トールキンの小説を実写化した人気映画シリーズ『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の約200年前を舞台に『指輪物語 追補編』(評論社)のエピソードをもとにして、滅亡の危機にひんした騎士の国・ローハンの運命を託された若き王女の戦いを描いています。ローハンに攻撃をしかける中心人物となるウルフの声を日本語吹替版で務めた津田健次郎さんに聞きました。 【写真】津田健次郎さんインタビューカットはこちら
あらすじ
ある指輪を巡り「中つ国」で壮大な冒険が繰り広げられる200年前。誇り高き騎士の国・ローハンは、偉大なヘルム王(市村正親)の守護のもと、長らく平和が保たれてきた。ところが王女・ヘラ(小芝風花)の幼なじみであるウルフ(津田健次郎)が突然反旗をひるがえしたことにより、王国の平和が脅かされる。思いも寄らぬ事態に戸惑いながらも、ヘラはローハンの民を守るべく王国の危機に立ち向かう。
現代的なテーマも盛り込んだ脚本
――今作は、『指輪物語 追補編』をもとにしたオリジナルストーリーですが、原作にはヘルム王についての記述がごくわずか。その大筋をたどりつつ、オリジナルのストーリーを膨らませるというのは大変だったと思うのですが、どんな感想を持ちましたか。 オリジナルの要素が多分にある物語ではありますが、「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚なので、特に最後の方では実写版につながるところもあるんです。その辺りのバランスを大切にしながら、とても丁寧に脚本化されたんだなと感じました。そこに登場人物たちのカタルシスもあるので、実写映画を知らない方でも楽しめますし、知っている方は「おっ!」と思う瞬間があると思います。また、アニメーションもすばらしいので、どんな楽しみ方もできる作品だなと思っています。 ――今作の主人公であるヘラに至っては、原作では「ヘルム王の娘」と表記されているだけでした。 古典のよさが詰まっているのですが、現代を生きる僕たちにも、とても共感できるものがあるなと感じました。そして、ヘラをはじめとする女性がどう生きていくかなどの現代的なテーマもうまく盛り込まれているので、最初から最後まで一気に読みました。これを脚本化することのプレッシャーたるや、尋常じゃなかっただろうなと思いますし、想像すると震えますね(笑)。 ――世界各国で人気の本作ですが、どんなところに魅力や面白さを感じますか? 実写版の「ロード・オブ・ザ・リング」が持つ壮大なスケール感はやはり魅力のひとつだなと思いますし、それは今作にも通じるところです。また、作品の大きな要素のひとつである風景描写も、実写を見ているようなリアルさがあるんですよね。馬が走っていくときに出るほこりっぽさや、砂地や岩谷の感じも共通しているので、そういうところも非常におもしろいです。