<夢の舞台へ!’23センバツ光>支える人々/上 マネジャー「ドラマ」演出 /山口
西日が差し込む夕暮れのグラウンド、打撃練習に励む選手らと、その球拾いをするマネジャーたちの姿があった。小中学校で野球やソフトボールの選手だった西原さくらさん(2年)は「野球経験を生かしたい」と宮秋孝史監督に申し出て、打撃練習の球拾いをするようになった。その合間に「球伸びてたよ」「いい打球だったね」などと選手に声を掛ける。宮秋監督は「安全のため、今までマネジャーはほとんどグラウンドに入れていなかった。彼女たちの熱意に負けた」と笑顔を見せ、「経験者だけあって、安全にできている」と話した。 球拾いだけではない。学校の裏にある傾斜地を走るトレーニングでは、選手と一緒に走って滑りやすい場所を見つけ、その後の整備に役立てる。西原さんは「部員を抜かして、プレッシャーかけたりもします」と得意気な表情を浮かべた。 光のマネジャーは計7人。アップ班、データ班などに分かれて選手を支える。アップ班の田村美悠さん(同)は、冬は体を温めるアップを多めに、大会直前は実践練習の時間を優先するなど、季節によってメニューを変える。「選手の頑張りを近くで支えたい」と力を込める。 データ班の竹中瑠衣さん(同)も野球経験者。光市出身で小学生時代には、県代表として全国大会に進出した経験もある。通える地域に高校生の女子野球チームがなく、「マネジャーとした野球を支えることにした」と言う。データ班は試合の偵察・観察をして、対戦相手のデータを取る。試合動画などから、どのコースの球をどの方向に飛ばしたかなど打撃や、相手投手の傾向を分析して選手に伝える。「『このデータがあったから(勝てた)』と言われてみたい。甲子園で輝く選手たちの姿が楽しみ」と期待する。西原さんも「勝つにつれて強くなるって、ドラマですよね」と目を輝かせた。【福原英信】 ◇ ◇ 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)に初めて出場する光。ナインを支える人々を紹介する。 〔山口版〕