私たちは決断する際「当たり前の考え」にとらわれ、気づかぬ間に選択肢を制限している…全米で話題<自分だけの方法を手に入れる思考術>とは
人生には誰しもつらい時期がある。だが、「そんな時でも自分の考え方ならいつでも変えることができる。そして、それこそが成功の第一歩だ」と説くのは、自費出版から異例の全米ベストセラー書籍を生み出した、ダリウス・フォルーさん。ダリウスさんは正しいベクトルで考える「思考術」を紹介するなかで、「当たり前の思考は当たり前の結果しか生み出さない」と言っていて――。 【画像】「自分がこの迷路の中にいる」と想像してみると… * * * * * * * ◆「意思決定」について 私はだんだんと、昔から「当たり前」とされているような考え方を嫌うようになった。それは、人と違うことを目指しているからではなく、当たり前の思考は当たり前の結果しか生み出さないからだ。 私はそれでは満足できない。それにあなただって、当たり前の結果で満足するようなタイプなら、そもそもこの記事を読んでいないだろう。 ここで「意思決定」について考えてみよう。昔からもっともよく使われている意思決定の方法は、プラス面とマイナス面をリストにするというものだ。 ちなみに、この方法を最初に記録に残したのは、アメリカ建国の父の1人で、雷が電気であることを発見したことでも知られるベンジャミン・フランクリンだ。 1772年、友人であるジョゼフ・プリーストリーに宛てた手紙の中で、フランクリンはこの意思決定法について書いている。そして現代の私たちも、何かを決めるときはいつもリストをつくっている。
◆リストの中身 たとえば次のような決断をするときに、そう決めたときのプラス面とマイナス面を列挙したりする。 ・「仕事を辞める?」 ・「恋人と別れる?」 ・「この仕事のオファーを受ける?」 ・「新しい車を買う?」 ・「起業する?」 紙を1枚用意して、真ん中に線を引き、片側にプラス面、もう片側にマイナス面をリストにする。 この方法はとてもシンプルで、その点は私も気に入っている。だが、今では使うのをやめている。やめたきっかけは、最初に付き合った女性との関係がうまくいかなくなったとき、友人にすすめられてこのリストをつくったことだ。私は本当に、当時の恋人と別れることのプラス面とマイナス面をリストにしたのだ! 今から思えば、あれは恥ずかしい行為だった。それに、そもそもリストなどつくっても何の意味もない。たった1つの要素が、他のすべての要素を凌駕(りょうが)することは十分にありえるからだ。それに、問題が恋愛や結婚の場合、リストの中身はたいてい誰でも同じだ。 ・関係を続けることのプラス面:人生の時間を一緒にすごす人がいる、セックスの相手がいる、一緒に旅行に行ける、など ・関係を続けることのマイナス面:自由な時間が減る、ケンカになる、相手の家族の問題、など いつも同じ内容なのだから、リストをつくっても意味はない。嫌いな仕事を辞める問題でも同じだ。プラス面は、嫌いな仕事から自由になれること。そしてマイナス面は、将来が不確実になることだ。