【雷から身を守るには?】ゴロゴロ聞こえ始めたら屋内か車内に避難 最終手段は木から離れて「雷しゃがみ」 三重で立て続けに雷鳴 栃木の音楽イベントでは落雷でけが人も
9月8日、栃木県で開催された音楽イベントで、落雷が原因とみられる事故が発生しました。仮設テントの近くの木に雷が落ち、10代から20代のスタッフ男女9人が足のしびれを訴え、うち6人が病院に搬送されています。10日午前は三重県でも不安定な天候が続き、突然の激しい雷雨となりました。この時期、注意が必要な雷。私たちはどう身を守ればいいのでしょうか。
突然の雷どうすれば? 距離があっても早めの避難を
突然発生し、予測不能な動きをする雷。マネキンを木の近くに立たせて雷を落す、電力中央研究所が行った実験映像を見ると、木に落ちた雷がマネキンへ飛び移っているのがわかります。 このように、雷が木などから人に飛び移る現象を「側撃(そくげき)」といいます。雷は高いところを伝わる特徴を持っているため、木に落ちてもまっすぐ地面に落ちず、近くにいる人に向かってくるのです。木だけでなく木造家屋の軒下や東屋でも「側撃」の危険が。雷を避けるために木陰や軒下に隠れるのは危険なのでやめましょう。
雷から身を守るために最も重要なのは、雷鳴が聞こえ始めたら、すぐに建物や車の中に避難することです。 車にマネキンを乗せて雷を落とすJAFの実験では、雷は車の金属部分を通ってタイヤから放電されるため、車内には影響がないことがわかります。 気象予報士の石橋武宜さんも、雷鳴が聞こえたら直ちに安全な場所に避難し、スマートフォンなどで雷情報を確認してほしいと注意を呼びかけています。雷雲が10キロほど離れていても、近くに落ちる可能性はあるということです。 ただし、屋内や車内が絶対に安全というわけでもありません。雷が電線などを伝わって屋内に流れ込み、電子回路をショートさせることもあるので、屋内でも壁やコンセントからは1m以上離れていたほうが安全です。車の場合もフロントガラス横のピラーなど金属部分には電流が流れるため、触らないように注意しましょう。
鉄則は「屋内や車内に避難」ですが、いつも近くに避難できる建物があるとは限りません。落雷があった栃木県の音楽イベント会場のように、今すぐ非難できる場所がない、避難する時間がないという場合は、側撃を避けるために木などからは4メートル以上離れ、「雷しゃがみ」をしてください。 「雷しゃがみ」とは、雷の音で鼓膜が破れないように「耳をふさぐ」、電気が流れる量を減らすため「足をそろえる」、地面との設置面積を減らすため「つま先立ち」をする体勢のことです。 稲光が見えてからゴロゴロと音が鳴り出すまでに間があっても油断は禁物。雷鳴が聞こえ始めたら、まずは屋内か車内に避難するのが鉄則です。逃げる場所や時間がない場合は、木から離れて「雷しゃがみ」をして、突然襲いかかる雷から身を守りましょう。