大谷翔平らの奮起で首位快走も不安のチーム状況 “銀河系軍団”ドジャースはトレード市場で「大物」を狙うべきか?
メジャーリーグはレギュラーシーズンの戦いが白熱。各球団が熾烈な争いを続ける中で、地区優勝、そしてポストシーズン制覇を目論む球団の大胆なトレード計画も見えてきた。 【動画】大谷翔平の“命を救った”ビッグプレーとは?現地も称賛したシーン 毎夏の風物詩ともなっているデッドラインデー(現地7月30日)までは約1か月となった。選手の入れ替わりが活発なメジャーリーグのトレード市場では、今年も大きな動きが予想される。 すでに米メディアでは各球団の動向がしきりに報じられているが、今夏のトレード市場で、いわば買い手側で“主役”となりそうなのは、昨オフに大谷翔平や山本由伸らを大型補強したドジャースだ。 前評判通りの強さを発揮し、ナ・リーグ西地区で2位パドレスに7.5ゲーム差をつけて首位を快走するドジャースだが、ここにきて不安要素が噴出。個々に疲労が蓄積し始めるシーズン後半戦を前に主力の怪我人が相次いでいるのだ。 現地時間6月16日に不動の1番打者であり、チームのメンター(精神的支柱)でもあったムーキー・ベッツが死球により左手首を骨折。さらに6月15日の登板を右腕の張りで緊急降板した山本も故障者リスト入り。両者ともに最低でも1か月以上の離脱は避けられない状況で、前者に至ってはシーズン後半戦の復帰目途も立っていない。 彼らに加えて、大黒柱のクレイトン・カーショウ(左肩痛)やウォーカー・ビューラー(右股関節炎症)がリハビリの途上にあるなど、合計14選手が戦線を離れているチーム状況は、やや心もとなさもある。 無論、「銀河系軍団」の異名も授かるドジャースは、メジャーでも屈指の巨大戦力を誇るチーム。多少の戦力が欠けても強さを維持できるだけのタレント力はある。ゆえに「必死に(補強に)動く必要はない」(米スポーツ専門局『FOX Sports』のジョン・スモルツ氏)というような補強慎重論も出てはいる。 だが、4年ぶりのワールドシリーズ制覇に向け、抜かりなく動いてきた首脳陣が「万全のチーム状況にしておきたい」と考えているのは想像に難くない。実際、現地メディアでは、ドジャースが大物獲得に動くと伝えられている。 日々ドジャースの関連情報を発信する米専門メディア『Dodger Insider』は、カナダの放送局『Sports Net』の取材で「(今年の夏にトレードをされても)驚かない。全く驚きはない」とコメントしたブルージェイズに所属する遊撃手ボー・ビシェットについて「彼は獲得可能な選手の中では最も魅力的な選手」と紹介。「ブルージェイズも適切なオファーがあれば、厳しい決断を下すだろう」とした。 また、米スポーツ専門局『FOX Sports』も「今のドジャースはナショナル・リーグで最強ではないにしても、それに近い勢いを持っているチーム。だが、明らかな駒不足により、トレード期限を前に積極的になる可能性がある」と分析。さらに「必ずしもトップクラスの選手を加える必要はないが、補強は最優先事項だ」としている。 自前のプロスペクトも多く保有し、トレードを敢行できる“切り札”はある。そうした状態でドジャースがどう動くか。他球団の動静を含めて注目したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]