「子どもの病気は魔術のせい」 ギャングが住民襲撃、184人殺害 ハイチ
(CNN) ハイチの首都ポルトープランスで、住民180人以上がギャングに襲撃されて殺害される事件が起きた。ギャングのリーダーが、自分の子どもが重い病気にかかったのはブードゥー教の呪いのせいだと主張して殺害を指示したと伝えられている。 ハイチ首相府の発表によると、ギャングのリーダーとされる「ミカノ」ことミカノール・アルテ容疑者らが6日から7日にかけ、ポルトープランスのスラム街で住民らを殺害した。 ハイチの人権団体RNDDHによれば、ミカノール容疑者が自分の子どもの重病についてブードゥー教の司祭に助言を求めたところ、この地区の高齢者の魔術のせいだと告げられたため、高齢者を殺害するよう命じたという。 ミカノール容疑者らは6日に高齢者少なくとも60人を射殺。7日には少なくとも50人を刃物で襲って殺害した。病気だったミカノール容疑者の子どもは死亡した。 国連によると、今回の事件では高齢の男女127人を含む少なくとも184人が殺害された。 ボルカー・ターク国連人権高等弁務官は9日の記者会見で、今年に入ってハイチで殺害された犠牲者は、これで5000人になったと指摘した。 ハイチ暫定政府は今回の事件について「一線を越えた」との認識を示し、「全軍を動員して犯罪集団を追い詰め、壊滅させる」と宣言した。