迫るトランプ追加関税、世界経済の混乱期到来か-企業側は準備万端と
トランプ政権1期目で米国の代表として主要7カ国(G7)や主要20カ国・地域(G20)の会合に参加し、現在は法律事務所スクワイヤ・パットン・ボグズでパートナーを務めるエベレット・アイゼンスタット氏は、トランプ氏による関税の脅し実行を阻止できるものはほとんどないと言及。「これは本当に大きな変化で、グローバルな貿易システムの再調整期に入る」と予想した。
トランプ氏は関税に関するエコノミストによる警告を繰り返し退けてきたが、その潜在的な影響の大きさは最終的にはトランプ氏とその顧問らをちゅうちょさせるかもしれない。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、マエバ・カズン氏およびエネオノーラ・マブロエイディ氏の試算によると、輸入品への関税率を対中で60%、その他の国々は一律20%に引き上げた場合、その衝撃は大恐慌を深刻化させた貿易戦争の引き金になったと広く考えられている1930年のスムート・ホーリー関税法がもたらしたものよりも大きいという。
米国の平均関税率はこの法律によって14%から20%近くまで上昇した。トランプ氏の公約は平均関税率を現在の3%から20%余りへとはるかに大幅に上昇させることになる。
BEの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は、潜在的な影響の大きさを考慮すると、最も可能性の高いシナリオは、トランプ氏が2国間関税を一部引き上げる一方で一律関税は課さないことだと指摘。今週のリサーチメモで「手続き上の要件と経済からの反応を考慮すると、貿易措置の範囲は限定される。米国の貿易相手国も同等の報復措置を取ると想定している」とした。
原題:More Trump Tariffs Are Coming But CEOs Insist They Are Prepared(抜粋)
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Shawn Donnan