娘への虐待の罪問われた男性が『逆転無罪』4年にわたる取材で男性が明かした本音 “弁護士記者”が見た「日本の刑事司法」
■2審の判決を前に保釈が認められる異例の判断 保釈条件は行動監視「早く解放されたい」
その後、今西さんは控訴。法廷での争いは続いたが、ことし7月、ある異例の判断が出される。 今西貴大さん:荷物ヤバイ。 2審の判決を前に、今西さんの保釈が認められることになった。拘置所の外に出るのは、およそ5年半ぶりだった。 拘置所から自宅へ向かう車内で…。 今西貴大さん:ここ拘置所らへんでしょう?さっきまでここにおったんや。 1審で懲役12年の判決を受けた被告人の保釈が、判決の前に認められた前例はほとんどない。
■保釈中はGPSで常に居場所を監視
今西貴大さん:これがGPS。いつも首からぶら下げているんですよ。外行くときに。 首には、常に身に着けているGPS。保釈の条件として、行動を監視されながら生活を送っていて、自由の身というわけではない。 今西貴大さん:早く解放されたい。刑事裁判、長いの本当しんどいから。早く判決をというよりも、早く解放を。毎日こんなんつけとかないと、あかんねんもん。
■「こいつ黒やと思われたら、白に塗り替えるのは無理やと思う」
長い裁判を通じて、刑事司法のあり方に疑問を持った今西さんは、拘置所の中で法律の勉強を始めた。 新しい人生に向け歩みだす一方で、取材の中でもらしたのは、“一度、逮捕・起訴された人にしか分からない想い”。 (Q.自分がやっていないということを、どう伝えたい?) 今西貴大さん:やっていないことを伝える?伝えられへんでしょう。一回やったかもしれへんって伝わってんねんから。もう考えたこともなかった。だって無理やと思うもん。 今西貴大さん:こいつ黒やと思われたら、白に塗り替えるのは無理やと思う。身近な人だけ分かってくれていたら、それでいいと思う。
■有罪判決に備え拘置所での着替えや本を持参し判決に臨んだ
そして、2024年11月28日。 今西貴大さん:おはようございます。 弁護士事務所に現れた今西さんは、万が一、有罪判決が出て拘置所に戻らなければならなくなった時に備えて、着替えの服や本などを、かばんに詰めてきた。 今西貴大さん:きのう川崎先生から電話かかってきて、『俺の中のジンクスで、準備していることは絶対に起こらない。だから嫌やけどちゃんと詰めて持ってきて』って。
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