道の駅など苦境の夜久野高原 にぎわい再びと福知山市が検討会
道の駅・農匠の郷やくのを中心とする京都府福知山市・夜久野高原一帯の再構築について考えるために、市が設置した「やくの高原活性化検討会」の初会合が12日、同市夜久野町額田の夜久野ふれあいプラザで開かれた。市民公募で選ばれた地元住民のほか、観光やまちづくりに関わる有識者らが出席。これまでの経過や現状を共有し、一帯の活性化に向けて取り組んでいくことを申し合わせた。 農匠の郷は、農村と都市との交流、地域産業発展などを目的に旧夜久野町が1999年に開設。2002年、国交省により道の駅に登録された。 約14万平方メートルの敷地には、温泉や宿泊施設、飲食店などが点在し、オープン間もない02年度には約30万人が来場。しかし、近隣の道路整備が進められるなか、06年7月に北近畿豊岡自動車道の春日IC(インターチェンジ)~和田山ICが開通したことで交通の流れが変わり、19年の道の駅の年間利用者数は15万人以下にまで落ち込んだ。 21年4月から休業となっている施設もあり、現在営業しているのは10施設中5施設のみとなっている。 道の駅とは別に、国道9号沿いにあり、長年ドライバーたちに親しまれたドライブインも閉鎖された。
検討会は、衰退が進む夜久野高原一帯の再構築に向け、住民や有識者の意見も採り入れながら、実効性のある方針を作りあげるために結成。委員15人で構成し、委員長には福知山公立大学地域経営学部の木村昭興教授、副委員長には京都銀行観光・地域活性化室長の泉真吾さんが就いた。 6月の市長選で、夜久野高原ににぎわいを取り戻す-との公約を掲げた大橋一夫市長は「農匠の郷には課題がある一方で、一帯の地域には魅力的な観光資源も豊富にある。夜久野高原が活力を取り戻し、どうにか再構築していけるよう、私自身も先頭に立って頑張っていきたい」とあいさつした。 市担当職員から検討会の設置趣旨や道の駅の経過説明があり、質疑応答の時間には、委員から「道の駅を訪れるターゲット層を明確にするべき」「観光という側面で考えるのであれば、夜久野単体でなく、兵庫県側の観光地に来た人が訪れる施設をめざすなど、広い視野で議論をしていく必要がある」などの意見が活発に出された。 会合終了後は、委員らが農匠の郷を訪れ、休業中の施設などを視察した。 検討会は年度内に全5回を予定していて、3月までに再構築プラン案を作成。それを踏まえて、25年度にプランを策定していく予定としている。