「Kabi」系列出身! 若きシェフの才能のきらめきを堪能できる神保町のフレンチは、パン1個100円~の“パン飲み”イベントも人気
ホッキ貝の燻製✕微発泡白ワイン
この月のディナーコースはホッキ貝の燻製 山菜のサラダで始まる。スナップエンドウとセリをオイルで和えたサラダの上にホッキ貝の燻製をのせ、貝のだし汁のジュレがかかったもの。紫蘇の花とスナップエンドウのスプラウトで彩られている。貝殻の上に可憐な一皿が完成し、春の始まりを予感させた。
ホッキ貝を使った前菜におすすめのワインは、ドイツのシルヴァーナー、ケルナー、リースリングがブレンドされた白ワイン。「ほんのり微発泡で柑橘の酸味があるドライなワインです。ホッキ貝は燻製しているため、味わいが強いので、それをすっきりさせてくれるイメージです」と早川シェフ。ホッキ貝は旨みが濃厚で薫香が漂う。スナップエンドウの青い香りとワインがさわやかに寄り添うマリアージュだった。
鰆のコンフィ✕旨みたっぷり白ワイン
メインの一つである魚料理は、低温調理した鰆のコンフィにパセリの入った緑のソース・サルサヴェルデをかけたもの。付け合わせには、ちぢみほうれん草、うど、菜の花のおひたし、素揚げのプチヴェールが添えられ、一皿の中に緑のグラデーションが鮮やか。「いろいろな緑があると、彩りがきれいになりますよね」と早川シェフ。
「鰆 春の菜」にペアリングしてもらったのは、フランス・アルザス地方のピノ・ブランを使った白ワイン。「白い花や柑橘の香りのある白ワインです。旨みがしっかりある白ワインなので、魚料理と昆布のだし汁のようによく合います」と早川シェフ。鰆自体がコンフィで旨みがギュッと引き出されていたので、旨みと酸がしっかりしたワインとうまくマッチしていた。また、苦みのある春の野菜が何種類も食べられるのも満足度が高かった。
自家製パン✕ジューシーロゼワイン
アノーでは毎日5~7種類の自家製パンが焼き上げられ、コースの合間に提供される。パンは天然酵母が使われ、カンパーニュなどの食事パンのサワードウは酸味が強めの仕上がりで、通好みの味。コースが食べられる範囲であれば、何種類でも自由に食べられる。
パンにおすすめなのは、ムールヴェードルなどの品種をいくつか混ぜたロゼワイン。ダイレクトプレスした果汁とマセラシオンした果汁を混ぜて造られている。味わいはいちごジュースのように軽やかで旨みたっぷり。するするとした飲み心地でどんなパンにも合うワインだった。