定期預金うたい出資勧誘 松浦貯蓄共済組合 50人から1.5億円か 長崎
長崎県松浦市からの貸付金を返済しないなどの問題が発覚した同市の松浦貯蓄共済協同組合が2009年ごろから、毎年数%の利息を払う「定期預金」とうたい「特別出資金」を勧誘していたことが分かった。組合員と市内外の非組合員約50人から総額1億5千万円余りを集めたとみられる。 定款によると、組合員は市内の商工事業者らで、1口1万円の出資を原資に、資金が必要な組合員に貸し付ける事業を実施。退会時は、出資金全額が払い戻される仕組みとなっている。21年度の事業報告書によると、組合員約480人の出資金は計1億5千万円だが、貸付金は計1億8千万円(いずれも同年度末現在)で、資金不足に陥っていたとみられる。 関係者によると、5年ほど前から松浦商工会議所や市に対し、同組合の退会を希望する組合員が「払い戻しに応じてくれない」などと相談が寄せられていた。 払い戻しを求める組合員と非組合員の計約60人は5月、出資者の会を結成。計約2億円の返還などを求めており、集団訴訟や刑事告訴も検討する方針。