<フィギュアスケート>ソチの女王はキム・ヨナか、コストナーか
コストナーの高い芸術点
浅田真央が、まさかのミスを連続させて金メダル争いから脱落、ソチの女王の座を巡ってSP首位のキム・ヨナ(韓国)から、2位のアデリナ・ソトニコワ(ロシア)、3位のカロリナ・コストナー(イタリア)までが0.8差以内で火花を散らすという大激戦となった。 では、誰が、最も金メダルに近く、金メダル獲得の条件は何だろうか?元全日本2位で、現在インストラクターとWEBサイト、アスリートジャーナルでの評論活動をされている中庭健介さんは、キム・ヨナvsコストナーの対決を予想している。 「3人が僅差の中にいますが、ソトニコア選手の採点については少し疑念を持っています。私は、キム・ヨナ選手とコストナー選手の対決になるのではないかと考えています。コストナー選手は、元々、芸術点の部分で素晴らしいベースを持っていました。ジャンプを成功させたことで、その長所を発揮しました。加えて団体のSPより3回転―3回転のコンビネーションジャンプの難易度を高めて攻めてきました。勝ちにきましたね。その気持ちが高得点につながっています。おそらくフリーでもジャンプの難易度を落とさずに攻めてくると思います。キム・ヨナ選手は、フリーでは1.6倍となる芸術点では、コストナー選手に劣りますが、ミスをすることを想像できません。男子と同様、技術点の勝負となってキム・ヨナ選手が勝つと見ています。ジャンプには高いGOE(見映え点)が加点されるでしょう。韓国選手権の映像を見る限り、スタミナへの不安もなくなっています。ただ、SP後には『6分間練習で緊張した』というような珍しくネガティブな発言をしていました。大人になった証なのかもしれませんが、プレッシャーも見え隠れしています。最終滑走であることが影響して守りに入らなければという条件つきではありますが」 コストナーは、団体のSPでは、3回転トゥーループ+3回転トゥループだったコンビネーションを、個人SPでは、3回転フリップ+3回転トゥループに変え、難易度を上げたにも関わらず成功させ、演技構成点である5コンポーネンツの点数では、キム・ヨナのそれを上回った。ソチ五輪に調整のピークをピタリと合わせることに成功している。 だが、キム・ヨナには、コストナーを寄せ付けない風格がある。予想されるFSの技術基礎点の合計は、キム・ヨナ58.09、ソトニコワ62.43、コストナー59.00となっていて、キム・ヨナが、一番低いが、GOEの加点と、安定した演技構成点を考えれば、金メダル獲得への障害にはならない。むしろミスのリスクが減る。