10年前に大流行、「オルチャンメイク」とは結局何だったのか…「韓国コスメ」ブームを振り返る
一過性のブームを超えて支持
また、第二次韓流ブーム時は、黒髪に黒カラコン、ロングヘアが特徴的だったが、第三次韓流ブームでは、明るいカラーリングや色素の薄いカラコンが目立つようになる。 韓国コスメでは、韓国ソウル発のライフスタイルブランド・STYLENANDA(スタイルナンダ)のコスメラインから3CE(スリーシーイー)が登場。現在も人気のrom&nd(ロムアンド)のリップや、CLIO(クリオ)の「キルカバーファンデーション」が話題となった。 スキンケアでは、肌を白くする「ウユクリーム」が話題になり、第二次韓国ブームから続いている保湿パックもさらに種類が増え、韓国コスメのクオリティもアップし、発色の良さやラメの細かさも、一過性のブームを超えて支持されるようになる。
「ガールクラッシュ」系グループの台頭
第三次韓国ブームの後半からは、「ガールクラッシュ」 系のアイドルグループ が台頭してくる。セクシーでキュートな印象が強かった第二次韓流ブームのKーPOPアイドルに比べて、強気で媚びない女性像を打ち出したのが特徴。こうした女性像はK-POPのさらなる人気とともに日本にも浸透した。 2009年から活動している2NE1(トゥエニィワン)から始まり、2014 年デビューのMAMAMOO(ママム)や2016年にデビューしたBLACKPINK(ブラックピンク)によりその人気はさらに加速した。 「ガールクラッシュ」 の人気とともに、ピンクやブルーなどハイトーンのヘアカラーリングや赤リップ、目元の強さを強調するクールなメイクも支持されるようになる。 第二次韓流ブーム時は自分を可愛く見せるメイクが追求されていたことに比べて、自分らしさを追求するメイクが注目されていることにも時代の移り変わりを感じる。
―第4次韓流ブームではさらに進化、メンズメイクも定着した現在(2020年~)
新型コロナウイルスの影響でステイホームの日々が続いた2020年。世の中が不安な空気に包まれる中、今度は第四次韓流ブームの幕開けになる。 第三次韓流ブームから人気が継続しているが、ステイホームの影響もあり、YoutubeやNetflix などで配信される韓国の映像コンテンツがネットを中心に大流行し、BTS が米国ビルボードのシングルチャートで1位を獲得した。同年にはaespa(エスパ)がデビューし、デビュー曲の『Black Mamba』は、YouTubeで公開後、たった24時間で2100万回を突破するほど話題になる。 韓国コスメも継続して現在も人気だが、第三次韓流ブーム時と比べると、さらに新しいブランドが増えていった。人気ブランドが続々と登場する中、2020年には韓国発のコスメブランド・dasique(デイジーク) が日本に上陸。多幸感が溢れるカラーはアイシャドやリップも含めて瞬く間に人気になる。 2020年頃の特徴といえば、やはり「女神降臨メイク」だろう 。原作・yaongyi氏の『女神降臨』はテレビドラマを中心に大ヒット。主なあらすじは、容姿を理由に深く傷つけられた主人公が、ネットの掲示板でメイクについて教えてもらい、転校をきっかけに誰もが見とれる「女神」へ大変身するというもの。 主人公が努力で人生を変えていくシンデレラストーリーでありながら、作中で細かく紹介されているメイク術の内容も実用的で瞬く間に話題になった。日本では、2018年からLINE漫画ですでに人気だったが、2021年からYoutuberを中心に再現メイクが人気になる。女神降臨メイクは、第二次韓流ブームのオルチャンメイクが進化したようなメイクだ。ただ「盛る」というよりも、パーソナルカラーや部分ハイライトも意識し、建設的に「美」を作り上げるのが特徴だ。 「女神降臨メイク」とともに、ヘアスタイルは「ヨシンモリ」が 流行。「ヨシンモリ」とは、女神ヘアとも呼ばれる韓国で人気の巻き髪アレンジで、トップをふんわりさせ、顎の下あたりにくびれを作ったスタイルだ。この頃から、美容室でも韓国ヘアを取り入れる店舗が増え、新大久保でも韓国スタイルの美容室 が一気に増えてくるようになった。