「煽り」とか「大袈裟」とか言われたりもするけれどーー「コロナの女王」岡田晴恵の本音
指輪をあえてたくさんつけている理由
「私、自分がないのかも(笑)。プレゼントをするのは好きだけど、いただくのはあまり好きじゃない。負い目になるっていうか。だからおごってもらうのも苦手です。物欲もないですし。洋服もよくわからなくて、デパートの店員さんに『安いのでお願い』って頼んで、一式用意してもらったり、ゼミの学生がLINEでおすすめしてくれたものをポチッたり、そんな感じなんです」 そう言う岡田の指には、カラフルな指輪がいくつもはめられていた。アクセサリーはお好きなんですね、と言うと、よくぞ気づいてくれた、と破顔した。 「ありがとうございます。これは手作りしてくれる方がいて。どれも高くないんですよ、2000円とか、それくらい。物欲のない私がこうしていくつも指輪をしているのは、“親指と人差し指にはネイルをしていない”ことを伝えるメッセージなんです。酸素飽和度と脈拍数を測定するパルスオキシメーターは、ネイルをしているとエラーになってしまう。ジェルネイルだと、特に。だから、ネイルをしない指を作って欲しい。なるべく報道でも、手を見てくださったらいいな、と思って、いつもこのスタイルです」 岡田の予見通り、年明けに第6波がやってきた。コロナ禍は、一体いつ終わるのだろうか。 「当分は難しい。経口薬がいつ、潤沢に出てくるか。簡易検査キットが一般の病院に行き渡ること。インフルエンザのように、処方箋で出された薬を自分で飲めること。もう一方は、発展途上国にまでワクチンが十分に供給されることです。ウイルスコントロールをして、新たな変異株の出現を抑えていく。それがいつ完了するか……2、3年は落ち着かないと思います」 岡田の多忙な日々はまだまだ終わりそうにない。 ___ 岡田晴恵(おかだ・はるえ) 1963年、埼玉県出身。白鴎大学教授。共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士号を取得。国立感染症研究所、ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所、経団連21世紀政策研究所などを経て、現職。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演、専門書から児童書まで幅広い執筆、講演活動などを通して、新型コロナウイルスを始めとする感染症対策に関する情報を発信している。新著に『秘闘』(新潮社)。