【懲役18年】「連絡返して、おかしくなっちゃうよ」…裁判で語られた男の“執着"と娘を救えなかった両親の無念 鶴見女子大生殺人事件裁判
■懲役が20年でも18年でも…
6月21日、横浜地裁は伊藤被告に懲役18年の判決を言い渡した。紗菜さんとの復縁が難しいとわかったことで伊藤被告が「悲しみ怒り、虚しさなど様々な感情からやり場のない思いを抱いたことは理解できる面もあるが、被害者を殺害する理由にはならない」とした。横浜地裁は「被害者に落ち度はない」とし、伊藤被告は「自分の気持ちばかりを優先させた」と非難した。 「毎日、ごめんねと無念の中で言い続けています」「お墓の前で手をあわせたいです」 伊藤被告は最終意見陳述でこう述べている。両親はどんな気持ちでこの言葉をきいたのだろうか。遺族は判決を受けてこうコメントしている。 「求刑通りの20年でも18年でも納得はできないです。」
■恋人への「嫌」…ためらわず専門機関に相談を
恋人間の身体的・精神的暴力=『デートDV』をなくす活動をする「NPO法人エンパワメントかながわ」の阿部真紀代表は、「被害者と両親はかなり相談し合えていて必要な対応はしていた」とした上で、「今回のような問題は特別なことではなく、誰しもが経験しうること。恋人に対して嫌なことが嫌だと言えなくなったり、嫌だと伝えてもやめてもらえなかったりしたら『デートDV』。遠慮せずに専門機関に相談してほしい」としている。当事者だけではなく、家族や友人など周りの人たちも、気づいたら積極的に専門機関に助けを求めることが大切だという。 また、「別れる決心をしたら、相手との連絡を完全に絶ち、身の危険を感じる場合は警察に相談し守ってもらうことが重要」だとした。 一方、「誰しもが交際解消を求められたら簡単に受け入れることは難しい」と指摘。伊藤被告も悔しさや寂しさなどの気持ちを誰かに吐き出すべきだったとし、助けてもらう必要があったとしている。