シトロエンC3の低価格プラットフォーム、C4など上位車種にも導入 販売に弾み
無駄を省いた本質的なクルマ
シトロエンは、より「本質的」なアプローチによって価格を引き下げる方法として、コンセプトカー「Oli」を例に挙げている。 「クルマの価格は上昇しているが、人々がクルマに費やせる金額は増えていない。EVはさらに深刻で、人々により高価なクルマを買うようを求めている状況だ」 「装備を充実させながら、シンプルで本質的な製品に戻ることが、我々にとって絶対に必要だと考えている」 コスカス氏は、今後数年のうちに市場の一部でこの傾向がトレンドになるだろうと予測し、「すべてのブランドがそうなるわけではないが、市場では一定の位置を占めるだろうし、我々もそこを狙っている」と述べた。 欧州の安全規制に関しては遵守する姿勢を示したものの、「安全に関する規制はますます厳しくなっている」とコスカス氏は述べ、ユーロNCAPが独自の要件を追加しようとしていることに対する自動車業界内の不安をほのめかした。 「各国の安全規制や欧州委員会の規制を満たすため、すでに多くの機能や装備などを追加しなければならない。それが我々の仕事だ」 ■2025年は成長路線 シトロエンの2024年の欧州市場シェアは前年同様、約3.5%になると予想される。 コスカス氏は、「厳しい市場環境の中で安定化できたことは、非常に満足している」と述べた。特に今年は、主力であるC3のモデルチェンジがあり、約3か月間生産が停止していたためだ。 2025年は、C3の販売が1年間続き、C4がマイナーチェンジし、新型のC5エアクロスが登場するなど、「シトロエンにとって花火のような出来事」が続き、成長路線に戻れるだろうとコスカス氏は期待を語る。目標は市場シェア4%超えだという。 新型C5エアクロスについては、洗練された設計と部品調達のスマート化により、ライバルに対してコスト面で優位に立てると考えている。シトロエンとしては唯一、フランスのレンヌ工場で生産されるモデルであるため、さまざまな融通が効くようだ。
マーク・ティショー(執筆) 林汰久也(翻訳)