“保守的な”ハビタブルゾーンを公転する太陽系外惑星を発見 直径は地球の約1.55倍
バーミンガム大学のGeorgina Dransfieldさんを筆頭とする研究チームは、「とびうお座(飛魚座)」の方向約137光年先の恒星「TOI-715」を公転する太陽系外惑星を発見したとする研究成果を発表しました。この系外惑星はTOI-715のハビタブルゾーン内にあるとみられており、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」などによる追加観測に期待が寄せられています。 今日の宇宙画像 研究チームが発見を報告した系外惑星は「TOI-715 b」と呼ばれています。直径は地球の約1.55倍で、主星であるTOI-715を約19.29日周期で公転しているとされています。TOI-715は太陽と比べて直径は約0.24倍・質量は約0.22倍、表面温度は約2800℃(約3075ケルビン)のM型星です。TOI-715 bはトランジット法を利用して系外惑星を捜索しているアメリカ航空宇宙局(NASA)の系外惑星探査衛星「TESS(テス)」の観測データから見つかり、チリのセロ・パチョンにあるジェミニ天文台の「ジェミニ南望遠鏡」など地上の望遠鏡による観測で確認されました。 研究チームによると、TOI-715 bは恒星の周囲に広がるハビタブルゾーンの中でも条件がより厳しい“保守的なハビタブルゾーン”(conservative habitable zone、惑星の歴史の大半の期間を通して表面に液体の水が存在し得る領域)に位置していて、推定される表面の平衡温度(※)は約マイナス39℃(約234ケルビン)です。TESSの観測によって保守的なハビタブルゾーン内の系外惑星が見つかったのはTOI-715 bが初めてだとされています。 ※…大気の存在を考慮せず、主星から受け取るエネルギーと惑星から放射されるエネルギーだけを考慮した温度。たとえば地球の平衡温度は約マイナス18℃ですが、温室効果によって平均気温は約14℃に保たれています。