福島・喜多方市のクマが人家に侵入した意外な理由…本来は冬眠している時期に、人里に次々出没
家の中に居座っていたのだから、恐怖でしかない。 今月23日、福島県喜多方市熱塩加納町の民家にクマが侵入。同日午後6時半ごろに帰宅した住人が発見した時、クマはこたつに頭を突っ込んで横たわっていたという。クマは体長90センチほどで、机の上にあった食べ物を食い荒らしていた。 【閲覧チュー意!】東京・新宿区が対策に本腰「ねずみ捕獲」の現場に同行した ここ数年、市街地など人の生活圏に姿を現す「アーバンベア」が社会問題になっている。先月30日には、秋田市のスーパーマーケットにクマが侵入。肉売り場を荒らすなどし、そのまま3日間も居座り続けた。今月2日にようやく箱わなで捕獲され、その後、殺処分された。 本来、クマは12月には冬眠しているはずだ。一部の専門家からは、温暖化の影響で冬眠しないクマが増え、この時期でも多くの個体が街中で目撃されているのではないかと指摘されている。喜多方市のクマも、冬眠しなかった個体なのか。福島県自然保護課の担当者はこう話す。 「クマは12月ごろから翌年3月ごろまでの冬眠の間に子どもを産み、普通は次の冬眠まで親子で過ごします。今回のクマは体長が90センチくらいですから、本来はまだ母グマと一緒にいるような幼いクマのはず。何らかの理由で母と離れてしまい、冬眠のやり方を学ぶことができず、エサと暖かい場所を求めて人家に接近したのではないでしょうか。こたつに頭を突っ込んでいた理由もやはり、暖かい場所を求めていたのだと思います」 クマはおととい(24日)麻酔の吹き矢で眠らされ、捕獲された後、市内の山間部に放たれた。人間の食べ物の味を覚えたクマは、再び人里に戻ってくるとされているため、喜多方市の対応にはSNS上などを中心に賛否が分かれている。 今回の対応について、喜多方市の市民生活課の担当者はこう説明する。 「放獣する際にはかなり山間部の方にまで運搬しており、集落に戻ってこられないくらいの場所なので大丈夫だと判断しました。クマを家屋から追い出す際には爆竹などを使用し、人間の怖さを覚えさせることもしています。最初から殺処分ありきではなく、さまざまな選択肢を考慮したうえで、こうした対処になりました」 冬眠しないクマが増えると、対応を変える必要があるかもしれない。 ◇ ◇ ◇ 何かと放言の多い秋田県知事が、クマ駆除に対する悪質なクレームには「おまえのところに送る」と言うと発言し物議を醸したが、県職員は意外な反応のようで……関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。