先祖迎える幻想の光 愛知・豊橋の向弘苑で万灯万華会
夕闇を照らす灯籠1000個
愛知県豊橋市向山町の寺院「向弘苑(こうこうえん)」で13日夜、盆恒例の「万灯万華会(まんどうまんげえ)」があった。1000個の灯籠が境内を照らし、祖先の霊をまつった。 昭和から平成に元号が変わった1989年から盂蘭盆(うらぼん)入りの行事として始まった。さまざまな絵入りの灯籠を宙に浮かべ、先祖を供養し家内安全などを祈る。灯籠は住職の阿邉永晋さんらが準備する。5寸のものと1尺のものがあり、境内で買える。 灯籠の中のろうそくに火がともされると、日暮れの境内が穏やかで幻想的な光に包まれる。訪れた参拝者は頭上に並ぶ灯籠を見上げていた。 境内では氏子らによるかき氷などの販売があった。午後7時頃から市内の和太鼓グループ「大崎しおかぜ太鼓」による演奏もあった。 近所の女性は灯籠が照らす境内を見て「心が穏やかになる。家に飾って、息子が帰省してくるのを待ちたい」と語った。【岸侑輝】
東愛知新聞社