<解説>GBWC ガンプラ日本一発表 ガンダムの歴史の重厚さを感じる力作 11歳の衝撃のジオラマも
「逆襲のシャア」のサザビーの出撃シーンのイメージボードを基にしたといい「好きなシーンですが、ネットで探しても、誰もジオラマを作っていなかった」と制作に取りかかった。サザビーは筋彫り、ディテールアップなどにこだわり、格納庫ということもあり、明るすぎず、暗すぎない光を表現した。
審査員が「定番ではあるけど難しい。本体が丁寧に作られていて、格納庫と光の演出も素晴らしい」と話すように、繊細な光の表現にこだわりを感じる。
◇イザーク大好き11歳
U-14コースで優勝したのは、ゆわっしーさんの「友へ…」。ゆわっしーさんはなんと11歳で、「PG」シリーズのストライクルージュなどを使って、デュエルガンダムのジオラマを制作した。制作期間は約6カ月。
ゆわっしーさんは「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのイザーク・ジュールが大好きといい、「PG」シリーズのデュエルガンダムのガンプラがほしかったが、発売されていないこともあり、自作したという。頭部や膝などの造形にこだわり、「イザークが大好きだから頑張りました」と愛を込めた。「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」でイザークが出撃を迷う中、ニコルの墓に行き、相談するシーンを思い浮かべ、ジオラマを制作した。独創性があるだけでなく、細部にもこだわりを感じる力作だ。
11歳とは思えないクオリティーで、審査員も「PGのデュエルガンダムってあった?と混乱するくらいクオリティーが高い。『SEED FREEDOM』でイザークが何をしていたのか?という情景を描いていて、このシーンが見たかった!と感動しました」と驚いていた。
GBWCは、ガンプラの工作や塗装技術、アイデアなどを競う国際大会で、2011年に始まった。6歳以上、14歳以下のU-14、15歳以上、20歳以下のU-20、21歳以上のOVER-21の3コースがあり、日本、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ&中東、香港特別行政区、インドネシア、中国内地、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、英国、米国、ベトナムといった16の国と地域で開催される。5月以降、各エリア、地域大会が順次開催され、代表を選ぶ。各代表は2025年2月22日に行われる世界大会決勝戦に出場する。
日本代表は、2018年のオープンコースの「ガンダムエクシアリペアII -胎動-」(ウツギさん)以来、世界一になっていない。約6年ぶりの日本優勝はあるのか? 期待が高まる。