《休職・無職はキャリアの汚点になるのか》空白期間を肯定的に捉える「キャリアブレイク」という第3の選択肢とは
キャリアブレイク中の5段階…〝いい転機〟に変えた人も
研究所が500人以上の体験者に聞き取りを行った結果、キャリアブレイク中の時間は5段階の傾向に分けられることが明らかとなった。 ・休めた解放感を味わう「解放期」 ・所属がないことへの不安感が襲う「虚無期」 ・心の奥底に眠っていた自分の声を聴きはじめる「実は期」 ・再び社会との距離を探る「現実期」 ・社会に接続し直す「接続期」 一方、今年4月に全国初となる人事のための図書館「人事図書館」(東京都中央区)を開設した館長の吉田洋介さん(42)も「キャリアブレイク」の5段階を経た後、次のキャリアに繋げた人の一人だ。 吉田さんは14年間大手人事コンサルティング会社に勤務。コロナ禍の2020年に新部署の事業責任者となったが、慣れない業務と激務が重なった。心身の不調に陥り、4か月間の休職に入った。 休職した直後は、休めたという解放感に満たされたが、同時に残してしまった社員に対する申し訳なさと、仕事がしたくてもできない虚無感に襲われた。 しかし、しばらく経つと、元同僚の会社で人事の助言などを行う副業を再開してみたり、ユーチューブの動画を撮影してみたりと興味の赴くままに行動し、さまざまなことにチャレンジしていった。 「このまま副業の延長で、会社を辞めても収入を下げずに生きていけるのでは…」 そう考え始めた吉田さんはこれまでの働き方を見直し、休職を経て退職。3年間フリーランスとして活動する中で、人事担当者がリアルに話し合える場所を作ろうと「人事図書館」を開設した。 図書館には人事関連の書籍約2千冊が並ぶほか、人事担当者同士が悩みを共有できるワークスペースなども設けた。 「休職中、自分が出来ることは何か、今後の働き方とゆっくり向き合うきっかけになりました。休職・離職に対し、周りがどうこう意見するものではなく、その期間に意味を見出すのはその人次第だと思います。 必要な人が後ろめたさを感じずに当たり前に取れる世の中になってほしいですね」(吉田さん) キャリアブレイクの意義や魅力は一体なんなのか。北野さんに改めて聞いてみた。
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