初代なぎさ車両とお別れ アルピコ交通上高地線 部品収集の催しに50人
長野県松本市のアルピコ交通上高地線のイメージキャラクター・渕東なぎさが車体に初めて描かれ、今月で運行が終了した同線の電車「初代なぎさTRAIN」のさよならイベントが23日、新村駅の構内にある車両所で開かれた。全国から車両の部品を収集する鉄道ファン50人が集まり、車両のドアや運賃表など、それぞれが目当ての部品を工具を使って取り外し、大切そうに持ち帰った。 車両内は電動ドライバーの「ウィーン」という音があちらこちらで聞こえ、解体現場のようになった。運転席のシートを外す人や、天井のファンを外す人などさまざまだった。近くの芝沢小学校4年生の児童はドアボタンを父親に取り外してもらい「古い車両が好きで、よく乗っていた。廃車になるのはさびしい」と話していた。 現地集合の有料ツアーとして募集し、定員の2倍の申し込みがあった。隠居哲矢鉄道事業部長は「最後までファンに親しんでもらいたいと企画した。思い出も一緒に持ち帰ってほしい」と願った。 電車は昭和40年代に製造され、都内の私鉄で使用された後、平成12(2000)年に上高地線に導入した。
市民タイムス