いまだ忖度?日本連盟辞めた山根元会長の取材自粛を公式HPに掲載する違和感
審判不正や助成金の不正流用などの問題点を告発された日本ボクシング連盟が13日、公式ホームページ上で「山根明会長の辞任について」「マスコミ各位へ」という2つの告知を森正耕太郎会長代行、吉森照夫専務理事の連名で掲載した。「山根明会長の辞任について」は、都道府県連盟に送付されたもので、8日に辞任を表明した山根明元会長(78)に関してのお知らせ。「8月8日、山根明会長が日本ボクシング連盟会長及び理事職を辞任しました。それに伴う、ボクシング連盟に関する加熱したマスコミ報道については、ボクシング関係者の皆さんはさぞ大変不安な思いをされたことでしょう。深くお詫び致します」とだけ書き、懸念されている連盟会員としての立場の辞任、つまり、関西ボクシング連盟会長、奈良県ボクシング連盟名誉会長の辞任に関する記述はなかった。 本人が、テレビの複数のワイドショーの直撃取材に対して「これからです」「死ぬまでアマチュアボクシングにかかわる」「おれは昔から無冠の帝王」と宣言していたとおり、会員としての資格は辞さず関西連盟会長、奈良連盟名誉会長の“席”を残すということなのだろう。 8日に行われた日本連盟の弁明会見で吉森専務理事は「すべて辞めると思います」と言いながら「関西連盟のことは関西が考えること」と逃げを打っていたが、危惧されていた結末となった。審判不正の“奈良判定”を生んだ山根元会長の地盤である関西で、復権の時でも待とうというのだろうか。 だが、日本ボクシングを再興する会は、そうはさせまいと臨時総会での「除名」決議を勝ち取るために準備を現在着々と進めている。今週にも臨時総会の招集を森正耕太郎会長代行に請求する方針だ。 問題は続けて「マスコミ各位へ」との題名で出された文章だ。 なんと会長、理事を辞任し、もう日本連盟の幹部でもない山根元会長への取材自粛を日本連盟が、自身の公式HP上で要請したのである。 記載された文書は以下のようなものだった。少々長いが一部を引用する。 「ご存知の通り、山根明元会長は本年8月8日、責任を取り、当連盟会長及び理事職を辞任しました。日本ボクシングを再興する会の告発内容については、間もなく第三者委員会が発足し、同委員会により遅くとも9月28日までに告発内容についての事実認定と意見及び改善への提言の報告書が提出されます。したがって、告発内容については、まずは上記第三者委員会の調査に委ねるべきものです。他方、山根元会長は責任を取り一線から身を引いているのにもかかわらず、同人に対し、幾多の質問や追及がなされるため、時には、山根元会長の全く個人的なことに関する言動が大きく取り上げられ、又は将来の第三者委員会の検討事項に対し、支障をきたすような間違った言動もあります。間違った言動は、ボクシング連盟そのものへのマイナス評価につながり、そのことは再興する会の目的とする趣旨にも反すると考えます。つきましては、山根元会長についても同人の年齢や判断能力、疲労のこともご考慮の上、これ以上のマスコミ取材は控えられるよう、要請します」