【MLB】 直近1週間でMLBワーストのドジャース投手陣 Wソックスのエース左腕・クローシェの獲得に注力すべきか
ドジャースが思わぬ停滞を強いられている。ロッキーズ、エンゼルス、ホワイトソックスという下位チームとの3カードを8勝2敗で乗り切ったあと、ジャイアンツとダイヤモンドバックスには立て続けにシリーズ負け越し。特に投手陣の出来は悪くなる一方で、過去7日間のチーム防御率7.20とfWAR-0.7はメジャーワーストだ。この投手陣の崩壊を受け、デッドラインでホワイトソックスのエース、ギャレット・クローシェの獲得にドジャースがさらに注力する可能性は高まっているかもしれない。 『MLB.com』と『ジ・アスレチック』の報じるところによれば、ドジャースはクローシェの獲得を目指す球団の一つだ。元々、ムーキー・ベッツらを故障で失ったことから、遊撃手や中堅手(ボー・ビシェットやルイス・ロバートJr.)の獲得も噂されていたドジャース。しかし、日本時間2日に『MLB.com』は「クローシェには興味を持っているが、ビシェットにはないかもしれない」と、優先順位が高いのは先発のクローシェだと報じていた。この頃のドジャース投手陣のパフォーマンスを見れば、それは妥当な判断と言えるだろう。 先発ローテに限れば過去7日間で防御率9.61と、ドジャース先発陣が苦戦を強いられているのは、故障者の多さのせいだ。8月以降の復帰が見込まれる長期離脱者のクレイトン・カーショウ、ダスティン・メイに加え、今季ローテーションを担った山本由伸やウォーカー・ビューラーも故障者リストに入った。彼らが抜けた現状のローテーションは、エースの活躍を見せるタイラー・グラスナウと覚醒の予感漂うギャビン・ストーン以外、プレーオフを考えれば不安を残す面々だ。 その点、クローシェはドジャースに最もフィットする。奪三振数と総合指標fWARでア・リーグを牽引する実力はもちろん、他球団がクローシェ獲得をためらう要素をドジャースは気にせずに済むためだ。他球団がクローシェ獲得に二の足を踏む要素とは、クローシェの故障歴の多さと耐久性の低さ。これまで怪我がちだったクローシェは、既に昨季までのキャリア通算イニング数を今季だけで超過してしまっている。 通常であれば、まだ25歳と若く、2年半の契約が残るクローシェにはイニング制限がかかって然るべきで、クローシェはいささかデリケートな存在だ。しかし、ドジャースは投手層が厚く、停滞気味といえど地区優勝は濃厚。山本が受けているような、中日やイニングを調整しながらプレーオフに照準をあわせた起用が可能だろう。 今夏のトレード市場の目玉と言われるクローシェには、当然ながらオリオールズやパドレスといった他の強豪(総勢15球団とも)も目を付けているだろう。『USAトゥデイ』のボブ・ナイチンゲールは1日、「ドジャースは既にホワイトソックスにオファーしており、断られた」と報じた。これはクローシェの市場のさらなる過熱を狙っての判断だろう。他球団のオファーと競わせることなく、デッドラインの目玉が期限1か月前に早々にトレードされるケースは多くない。ドジャースは依然、プレーオフの前哨戦とも呼べるかもしれない、クローシェ争奪戦に加わる可能性が高いのではないだろうか。