<センバツ高校野球>兄弟、別の学校からセンバツへ 弟に兄「開幕試合、楽しめ」
市立高対決となった開幕試合。呉(広島)との初戦に臨んだ市和歌山の上原拓海選手(2年)は、智弁和歌山でベンチ入りする兄・佑斗選手(3年)とともに兄弟で甲子園出場という夢をかなえ、大舞台に立った。 【甲子園のグラウンドに整列する選手たち】 組み合わせ抽選会があった15日。和歌山市の自宅で、兄から「開幕戦は緊張するやろ」と声をかけられ、「観客が多くて緊張するかも」と応じた。「開幕戦なんてなかなか経験できない。楽しんでこい」。兄の言葉で、リラックスできた。 小中学時代は、地元の同じ野球チームでプレーした。前回センバツ準優勝の強豪校に進んだ兄と違う道を歩むが、一緒に憧れのグラウンドに立つという目標は、ずっと胸にあった。家では一緒に素振りをし、動画で撮影し合い、アドバイスを受けることもある。試合の前日も兄から「がんばれよ」と電話がかかってきた。 和歌山勢同士が対戦できるのは、決勝の舞台しかない。そこまで勝ち上がり、兄のいるチームに挑みたいと思っている。初戦は出場の機会はなかったが、「自分にできることを考えチームに貢献する」。ベンチから大きな声援を送り、サヨナラ勝ちを後押しした。【後藤奈緒、砂押健太】