ヘッジファンドに人気のビットコイン取引、さらなる値上がり要因に
(ブルームバーグ): ビットコインが急速なペースで最高値更新を続ける中、暗号資産(仮想通貨)に投資するヘッジファンドの間で最も人気のあるトレードの一つが、従来よりもさらに収益性を増している。かつて考えられなかったような高値にビットコインを押し上げる要因になっている可能性が高い。
暗号資産業界に好意的なドナルド・トランプ氏が先週の米大統領選に勝利したことでビットコイン買いに弾みがついている。11日に続伸した結果、ビットコイン先物と現物価格のスプレッドは3月以来最大に達した。同月は現物投資型の米上場投資信託(ETF)導入を受けてビットコインが以前の最高値を更新した時期に当たる。
ヘッジファンドは長い間、現物と先物の価格差を利用する「ベーシス取引」で利益を得ようとしてきた。現物市場でビットコインを買い、期間長めの先物を売ることでその価格差を固定する取引だ。こうしたトレードの活況で、先物価格はさらに押し上げられる見込みだ。
プライムブローカー、ファルコンXの市場責任者ラビ・ドシ氏は「市場参加者は、先物とオプションの両方でレバレッジを通じて一段の上昇に賭けるロングポジションを取ろうとしている」と分析。「11月限についてこのベーシスカーブは年率18%以上となり、暗号資産の価格上昇時におけるマージンに対し飽くなき需要を示している」と語る。
CFベンチマークスのデータによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のベーシスは現在18%に近づいている。CME上場のビットコイン先物の期近物は、他の金融派生商品(デリバティブ)プラットフォームのベーシスを上回っている。
「機関投資家は今こそ、先物とスポット価格のスプレッドを利用してベーシスを確保することを目指すだろう」とCFベンチマークスの商品責任者トーマス・エルドシ氏は指摘した。
ビットコインのオプショントレーダーは、10万ドルの大台を既に視野に入れている。暗号資産オプション取引所デリビットのデータによると、ビットコインが年内にもその水準を突破すると見込む賭けが積み上がっている。