投資銀モーリスのバンカー休職-殴打事件の動画拡散、会社が調査
(ブルームバーグ): 米投資銀行モーリスの従業員1人が休職中であることが明らかになった。同行を巡っては、シニアバンカーの1人が女性を殴り倒したと見られる動画がインターネット上で拡散し、会社として調査に乗り出している。
X(旧ツイッター)に投稿された動画には、男性が女性を殴り、その女性が地面に倒れる様子が映されている。上着がぬれているように見えるその男性は、周りで見ている人たちに批判されながらその場を立ち去った。
モーリスは10日に電子メールで送付した文書に、「従業員の1人が6月8日にブルックリンで重大な事件に関与したことを把握している」と記述。「当行はこの問題を極めて深刻に受け止めており、この従業員は休職している。会社は調査を継続している」と説明した。
ネット上の投稿では、この男性はモーリスでビジネスサービス・フランチャイズを率いるマネジングディレクターのジョナサン・ケイ氏と特定されている。
ケイ氏はブルームバーグからの9日の取材に対し、コメントを控えた。モーリスはニューヨーク市内に本社を構える。
動画には、事件に至るまでの経緯は映っていない。この事件は「ブルックリン・プライド」のイベントを祝うために何千人もがニューヨークのパークスロープ地区に集まっている時に起きた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が状況の説明を受けた人物1人を引用して報じたところでは、事件はパレスチナの旗を持った4人の人物が、ケイ氏に液体を投げ掛けた後に起きた。ユダヤ人の同氏はその前の時点でこれらの人物に対し、君たちは「間違った側にいる」と話していた。この人物が同紙に語ったところによると、ケイ氏は小競り合いで転倒し、膝を負傷した。
ニューヨーク市警(NYPD)は10日に電子メールで、「NYPDはその動画を認識している」とし、「被害者は警察に届け出てほしい。今のところ被害届は提出されていない」と述べた。
原題:Moelis Banker on Leave as It Investigates Brooklyn Incident (1)(抜粋)