子どもに片づけをどうやって教える? 「片づけなさい」がダメなわけ
私は中高生に「片づけ」のワークショップをやることもあるのですが、最初は生徒たちは「片づけは苦手」「片づけをする時間がない」と言います。そこで、実際に生徒たちに1日の時間の使い方を書き出してもらうこともあります。そうすると結構スキマ時間やムダに過ごしている時間があることがわかります。その時間を活用すれば、さっと片づけもできるし、効率的に時間が使えることがわかるんですね。 片づけはモノをしまうだけでなく、必要なモノをすぐに取り出せて生活や勉強がしやすい環境をつくることが大事であること、片づけは時間管理と密接に関係があることを話すと、みな納得した顔になります。今まで「片づけ=叱られながら嫌々やるもの」と思っていた子たちも、片づけのメリットがリアルにわかるようになると、がぜん興味が湧くようです。 ここで気をつけたいのは、片づけをしてほしいことを子どもに伝えるときは夫と同様、「期待」でなく「希望」で伝えること。「いつまでに〇〇を片づけてね!」と「期待」を押しつけてしまう親御さんは多いと思いますが、どんな小さな子どもでも自分の意思があります。自分が「やる」と選択するまで待つことも大事。そこを待てなくてどんどん親が片づけてしまうと、いつになっても子どもの片づける力はつきません。 また、子どもなりに一生懸命片づけをしたのに、「なんでこんなにぐちゃぐちゃなの?」「なんでこんなに捨てるの?」とダメだしをしてしまう親御さんも要注意。 子どもが自分の基準で片づけたものにダメだしをしてしまうと、子どもは自分自身の判断に自信がなくなってしまいます。親御さん自身の価値観とは違ってもそこは目を瞑り、できないことにフォーカスをするのではなく、できたことを見つけてほめるのが鉄則です。 また、学校に行っているお子さんなら、学期ごとに片づけの習慣をつけるといいでしょう。学期末に持って帰ってきたモノを親子で点検し、手放すモノと取っておくモノに分類し、取っておくモノは置く場所をきちんと決める。生活の区切りに持ち物を見直すことは、片づけの習慣化になります。 ※西崎彩智著『人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター』より抜粋
西崎彩智