7度の優勝を誇る“名脇役”ロバート・オーリーが殿堂入りに初ノミネート「光栄です」
■幾度もクラッチショットを沈めて優勝に貢献したフォワード
12月20日(現地時間19日)。ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム(以降、殿堂)が、2025年のバスケットボール殿堂入り候補者たちを発表した。 【動画】オーリーが決勝弾を沈めた2005年ファイナル第5戦終盤をハイライトで! 今回、北米委員会とインターナショナル選手委員会から選出されたメンバーのうち、初めてノミネートされた主な元選手はカーメロ・アンソニー(元ニューヨーク・ニックスほか)、マルク・ガソル(元メンフィス・グリズリーズほか)、ドワイト・ハワード(元オーランド・マジックほか)、アマレ・スタッダマイヤー(元フェニックス・サンズほか)といった面々。 彼らはいずれも複数回のオールスター選出を飾った実績を持ち、カーメロはレギュラーシーズン通算2万8289得点で歴代10位に入っており、NBAの75周年記念チームにも名を連ねた。 ガソルは2012-13シーズンの最優秀守備選手賞(DPOY)に輝き、2019年にトロント・ラプターズの球団初優勝にも大きく貢献。ハワードは2008-09から2010-11にかけて3シーズン連続でDPOYに輝いた実績を誇るビッグマンで、アマレはオールスターに6度、オールNBAチームに5度選ばれた。 そうした中、2007-08シーズン終了後に引退したロバート・オーリー(元ヒューストン・ロケッツほか)も初ノミネート。両フォワードをこなした208センチ108キロの男は、NBAで16シーズンをプレー。 レギュラーシーズン通算1107試合の出場で平均24.5分7.0得点4.8リバウンド2.1アシスト1.0スティール0.9ブロックに3ポイントシュート成功率34.1パーセント(平均0.7本成功)を残したとはいえ、1992-93シーズンのオールルーキーセカンドチーム入りを除くと、オールスターやスタッツリーダーといったアウォードに選ばれたことはなかった。 それでも、オーリーには天性の勝負強さが備わっており、プレーオフで何度も所属チームを勝利へ導くクラッチショットを決めてきた実績がある。ロケッツではアキーム・オラジュワン(元ロケッツほか)らと1994と1995年、ロサンゼルス・レイカーズではシャキール・オニール(元レイカーズほか)とコービー・ブライアント(元レイカーズ)のスーパーデュオを支える選手として2000、2001、2002年の3連覇、サンアントニオ・スパーズではティム・ダンカンとマヌ・ジノビリ(いずれも元スパーズ)、トニー・パーカー(元スパーズほか)とともに2005、2007年のリーグ制覇を成し遂げ、異なる3チームで優勝したNBA史上わずか4人のうちの1人でもある。 それぞれのチームで得点源ではなかったとはいえ、オーリーはスターターあるいはローテーションの一角を務め、1995年のファイナル第3戦で決勝弾となる3ポイント、2001年のファイナル第3戦でも試合終盤に貴重なコーナースリーをヒット。2002年のカンファレンス・ファイナル第4戦では2勝2敗に持ち込む劇的なブザービーターの3ポイントを放り込み、2005年のファイナル第5戦でも延長終盤に長距離砲を決め切った。 “ビッグショット・ロブ”の異名を持つオーリーは、1950年代から1960年代にかけて8連覇を達成したボストン・セルティックスでプレーしてきた選手たちを除くと、NBA歴代最多となる優勝回数(7回)を誇る。 2021年4月。オーリーはレイカーズの地元メディア『Lakers Nation』へ、殿堂入りの思いをこう口にしていた。 「いつの日か殿堂入りについて声がかかれば、自分のことを誇りに思うだろう。もしそうでなければ、そうなってほしいと願うさ。自分に言えるのは、殿堂入りした人たちのうち半分は、僕ほどのリングを手にしていないということ。そう、僕は7つのリングを持っている」 2024年までに殿堂入りを果たした元選手たちのうち、レギュラーシーズン平均得点でオーリー(7.0)を下回ったのは、5.7得点のベン・ウォーレス(元デトロイト・ピストンズほか/2021年)と、6.7得点のチャック・クーパー(元セルティックスほか/2019年)のみ。 それでも、ノミネートされたことで殿堂入りへの道が開けたことは事実。オーリーは自身のX(旧Twitter)アカウントで「2025年組にノミネートされて光栄です」と引用リポストしていたことからも、そのゴールへ前進しているだけに、今後の動向にも注目していきたい。
BASKETBALL KING