渦中のニチガク社長を直撃取材「心が痛い」 入試直前に予備校閉鎖
大学入試を目前にしたこの時期に突然、生徒130人を抱える予備校が閉鎖されました。何が起きているのか、番組は運営会社の社長を独自で取材しました。 【画像】予備校ニチガクが突然閉鎖 運営会社社長「僕の一存ではどうにもできなかった」
■130人の生徒が教室失う
渦中の「ニチガク」の社長が、カメラの前で語ったこととは…。 JR新宿駅から徒歩10分ほどの所にニチガクがあります。 入り口には合格実績が書かれた紙がたくさん貼られています。 窓ガラスにビッシリ貼られた有名大学への合格実績。しかし、その隣には別の貼り紙がありました。 ニチガク代理人弁護士 「破産申し立てを視野に入れ、債務を整理する予定でおります。当校生徒の私物をお持ち帰りいただけますように対応させていただきます」 来週末に大学入学共通テストが迫るなかで、およそ130人の生徒が所属する予備校の突然の閉鎖。6日、荷物を取りに来た生徒はこう話します。 高校3年生 「かなりびっくりしました。誰も知らないって言っているので」 「(Q.やるしかないという気持ち?)どうしようもない。やれることないので。ふざけるなって言っても、決まっちゃってるし」 医学部志望 高校2年生 「やっぱり信じられないというのと、閉めるにしても今じゃないなと。それを貼り紙だけで済まして、全く誠意も感じられないし。受験前までの前払いで僕の場合は、250万円ちょっと一括で払ったんで、これ返ってこないと。まだ通い始めて1カ月だったんですよ。許せないですよね」
■“強気経営”講師も違和感
経営陣からの説明もないまま、突如閉鎖されたニチガク。スタッフは少し前から異変を感じていました。 ニチガク現役スタッフ 「12月の上旬ぐらいに支払われるはずだった給料が『支払われないで延期します』というような連絡が来て。遅延された給料の振込日になっても、またさらに振り込まれなくて。そこでちょっとおかしいなと思っていたんですけど」 その際、ニチガクの経営陣は、スタッフに対し「12月中に必ず支払う」と説明したといいますが、いまだ25万円の給与は支払われていません。 ニチガクの冬期講習のためにスケジュールを空けていた講師はこう話します。 ニチガク講師 森川晶雄さん(34) 「きょうはここで授業をする予定だったんですけど、なくなりましたので。急にです。休みになりました。受験直前に閉めるというのは前代未聞。受験が終わった後、2月末か3月にするのが業界の暗黙のルール」 この講師が以前から気になっていたのは、ニチガクの強気な経営方針です。 森川さん 「新しく教室を作ったりだとか、2年前にやってましたよ。今後50人、70人、100人って生徒数を一つの授業で集められるっていう保証が全くないのに教室を増やしたり、広い教室を作ったりするのは、何を考えているのかなと思っていました」 東京商工リサーチによりますと、予備校などの「学習塾」の倒産は去年53件に達し、過去最多を更新しました。少子化が進んでいることに加えて、こんな背景もあるようです。 森川さん 「少子高齢化はもちろんそうですし、ご存じかもしれないですけど、受験が一般受験より推薦入試、AO入試、指定校推薦という枠が非常に増えたので」 「(Q.受験が減ってるわけですね?)はい」