JAL、A350-1000 8号機の就航前整備 識別板と鶴丸取付
日本航空(JAL/JL、9201)は12月16日、新長距離国際線機材エアバスA350-1000型機の8号機(登録記号JA08WJ)の就航前の整備作業を公開した。自動車のナンバーにあたる登録記号などを打刻した「識別板」の取り付けなどを格納庫内で進め、間もなく迎える就航に備える。 【写真】L1ドア入り口に取り付けられる黄金色の鶴丸ロゴ 就航前の整備作業は社内で「就航前改修」と呼ばれるもので、日本国籍の航空機であることを示す識別板と、客室内に掲げられる黄金色のアルミ製鶴丸ロゴの取り付け、可動部にグリースを塗る「ルブリケーション」、座席の可動確認など多岐にわたる。 このうち識別板は前方左側のL1ドア上部に取り付け、取り付け場所とネジに接着剤を塗りつけ、作業が進められた。黄金色の鶴丸ロゴはL1ドア入り口に取り付けた。通常の就航前改修は1-2週間かかるが、今回は10日程度で終了する見通し。 8号機はフェリーフライト(回航便)のJL8102便として、エアバスの最終組立工場がある仏トゥールーズを現地時間12月6日午後2時17分に出発し、同39分に離陸。羽田のA滑走路(RWY34L)へ7日午前11時19分に着陸して、格納庫前の212番スポットへ同25分に到着した。3人のパイロットが8号機のフェリーを担当した。間もなく就航する見通しだが、JALによると現時点で具体的な就航日は決まっていないという。 7号機(JA07WJ)がエアバスの組立スケジュールに変更が生じたため、引き渡しの順番が入れ替わり、8号機を先に受領した。8号機の導入により、発注済み13機のうち半数を超え7機が受領済みとなった。 A350-1000はJALの新たな国際線フラッグシップで、今年1月24日に1路線目の羽田-ニューヨーク線、4月17日に2路線目のダラス・フォートワース線に就航。ファーストクラスとビジネスクラスはJAL初の個室タイプのシートを採用した。初の欧州路線となる3路線目のロンドン線(JL43/44便)には10月24日から隔日で投入し、2025年1月2日から週7往復(1日1往復)のデイリー運航に拡大する。 座席数は4クラス239席で、ファーストが6席(1列1-1-1席)、ビジネスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)。ファーストクラスは座席上のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)をすべてなくし、ビジネスは窓側のみとすることで開放感のある客室に仕上げた。 JALはA350-1000を置き換え対象の777-300ERと同じ13機導入する計画。2025年度には11機体制となり、パリや米西海岸などを軸に投入路線の検討を進める。
Yusuke KOHASE