錦織圭、ジャパンオープン初戦の相手チリッチを警戒!「ミスもあるがプレーの早さやボールの速さもある」<SMASH>
チリッチが杭州オープンの決勝に進出を決めた時点で、錦織はかつてのライバルの復調を、「戻してくるのが早いなと思った」という。 「うっちー(内山)との試合も少し見ていたし、西岡選手との試合を見ても、けっこうプレーの質が高い。ミスもあるが、プレーの早さやボールの速さもあり、もちろんサーブも健在」と警戒心を深めた。 同時に自身の現在地に関しては、200位のランキングが、実力とマッチしていないと感じているとも言った。今年3月に8カ月ぶりにツアー復帰した錦織は、ここまで11位(対戦当時)のステファノス・チチパス(ギリシャ)を筆頭に、3人のトップ100選手に勝利。敗れた選手の中で最もランキングが低いのは、対戦時84位のジャウメ・ムナール(スペイン)だった。 それらの戦いを経て「100位内には、多分入れる」との自信を深め、同時に「総合的に見ると、トップ10には到底勝てない」との現状にもまっすぐに目を向けた。 ただそれは、「大事なポイントでのプレーの仕方」に課題を残すからであり、時間が解決してくれるだろうとの見通しもある。その時が満ちれば、「トップ10にも、ワンチャン、勝てる」というのが、彼の客観的かつ肉感を伴う分析だ。 その日がいつ訪れるかは、「まだわからない」。ただ「明日にでもなるかもしれないので、その希望を失わずにやりたいな」と、彼はふわりと言った。 いつか訪れると信じる、欠けたピースがカチリと噛み合う日。もしかしたらそれは、「人生で一番悔いが残る試合」の相手と、再び戦う明日かもしれない。 取材・文●内田暁