男子60㌔級の中村太樹「次の五輪は俺が行く」 パリ「銅」の永山竜樹を圧倒 柔道GS
柔道のグランドスラム東京大会第1日は7日、東京体育館で行われ、男子は60キロ級で22歳の中村太樹(国士舘大)が永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)を下して初優勝した。 4年後のロサンゼルス五輪へ向け、22歳の中村が大きな一歩を踏み出した。男子60キロ級決勝でパリ五輪銅メダルの永山を下して初優勝。「打倒・永山選手をずっと掲げていた。次の五輪は俺が行く、という気持ちを見せられた」と充実感をにじませた。 攻め続けた結果の戴冠だった。序盤から投げの打ち合いとなり、転がされそうになる場面があっても、一歩も引かなかった。終盤になると永山が後手に回るようになり、指導3つを引き出して、延長1分24秒で反則勝ち。畳を下りると観客席に向かって両手を突き上げ、喜びをかみしめた。 5月に行われた世界選手権は3位だったが、約2カ月後のパリ五輪で金メダリストになるエルドス・スメトフ(カザフスタン)に一本勝ちしていた期待株。テレビの前で五輪を見て「悔しい気持ちと、刺激になる気持ちがすごくあった。夢の五輪チャンピオンはほど遠い目標だけど、ずっとやっていく気持ちになった」と自らの力に変えた。 強豪の国士舘で鍛えられてきた22歳は「自分の柔道で勝ち切ったのはすごく自信になった」。初めて手にした金メダルは、さらなる進化の糧になる。(大石豊佳)