「カヌレ」はなぜ定番スイーツ化していったのか? ローソンやスシローで大ヒット 「進化系」も登場した背景
コンビニ各社も参入 スイーツの「定番」になるか
これら専門店だけでなく、第2次ブームではコンビニの果たした役割も大きい。 特にローソンは力を入れており、現在でもチルド1種、冷凍2種の3種類の商品を出している。中でも2022年9月発売のチルド商品である濃密カヌレは、オーブンの焼き時間や原料の配合に工夫を重ねて独特の食感を表現。 「バスチー -バスク風チーズケーキ-」が記録した「発売3日で累計100万個」に次ぎ、発売4日で100万個を突破し、発売7日で200万個に到達。女性のまとめ買いが多い商品だ。この他、冷凍で「焦がしバター香るカヌレ」「塩キャラメルカヌレ」も展開している。 ファミリーマートでは2022年5月に、ドーナツ型の進化系カヌレ「生カヌレケーキ」を発売。フランス産発酵バター入りマーガリンに加え、ラム酒とバニラの風味付けをしたカヌレ生地、さらにホイップクリームを合わせた商品で若い女性を中心に、好評を博した。 この11月には牛乳・小麦粉・卵を使用したシンプルな「カヌレ」も発売。専門店のように、できるだけシンプルな配合にこだわり、外側をカリッと、中をもちっとした食感にするよう工夫を重ねた。他のデザートに比べて、紅茶系の飲料との買い合わせが多く見られる。 セブン-イレブンも期間限定でカヌレをたびたび販売している。例えば2022年8月に「生食感カヌレ」、同年10月に「生食感ショコラカヌレ」を相次ぎ発売した。2024年は3月に「香ばしもちっとカヌレ」を発売。SNS上では「専門店レベル」と好評を博した。11月には冒頭で触れた通り、ロッテとコラボしたガーナショコラカヌレも登場している。
スイーツの新定番に
以上、第2次カヌレブームは2010年代に大阪・神戸から起こり、コロナ禍に「プチぜいたくスイーツ」として東京に流入。コンビニも参入して大きな潮流となり、現在に至る。果たして今後、カヌレは定着していくのか。 立町カヌレを運営するカスターニャの竹村崇社長は「百貨店のマーチャンダイザーに聞いても、カヌレの需要は底堅く、スイーツの新定番となったという意見が多い。インバウンドの人気も高く、海外出店のオファーもある」と語り、さらなる事業拡大に意欲的だ。今後も、カヌレのさらなる進化に期待したい。 (長浜淳之介)
ITmedia ビジネスオンライン