旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告(全文2)
横浜のマンションでDYNAWING工法を選んだ理由は?
日経アーキテクチュア:日経アーキテクチュアのタカイチと申します。よろしくお願いします。 横浜所在のマンションの敷地において、DYNAWING工法を選ばれた理由をお教えください。というのは、耐震認定を取得しているけども、あそこは土丹だというふうに、前回の会見ではおっしゃっていました。土丹層のある地盤では、耐震認定を取得していないと思います。つまり告示にのっとった手続きを踏まなければいけない。その工法をあえて選ばれた理由等お教えください。 平居:選ばれたのは、三井住友建設さんが選ばれたのであって、われわれが選んだわけではありません。 日経アーキテクチュア:適切だとご判断されましたでしょうか。 平居:適切だと判断したのは、三井住友建設さんだと。 日経アーキテクチュア:御社はどう思ってましたでしょうか。 平居:告示にのっとった手続きを踏んで、こういう言い方は悪いのかもしれませんが、営業活動をすることは普通に行うわけです、営業活動することは。それについてご判断をいただくのは、この場合は元請けさんであったり、設計に責任を取る設計事務所さんであったりが判断されるわけです。そのときに、告示にのっとった手続きによって、要するに建築基準法にのっとった手続き、 日経アーキテクチュア:つまり告示にのっとって採用するのであれば問題ないと、御社は三井住友さんにおっしゃったんでしょうか。 平居:すいません、当時のことは今、分かりません。 日経アーキテクチュア:土丹が斜めになっているところで、羽根は開いて拡大することはできるんでしょうか。 平居:前嶋くんから質問に答えて。 司会:それは、では、商品開発部長の前嶋のほうから。 前嶋:土丹層でもきちっと開いて施工することは可能だと考えております。ただ、先ほど来、申し上げてますように、われわれ認定外の方法ではあるんですけれども、それを採用されるのは経済性も含めて、設計も含めて、元請けさまのほうの責任というか判断で採用されてると思っております。 日経アーキテクチュア:可能性として、摩擦、杭体の回りを固めませんよね。開いて、撹拌して、土をそのまま何かセメントのように混ぜたりしないで、ほとんど根固め部以外は緩い状況ですよね。つまり根固め部がしっかりできていないと、十分な支持力を保持できない可能性がありますか。 前嶋:おっしゃるとおりに、DYNAWINGは先端支持杭という工法になりますので、先端の根固め部、それから支持層の根入れがしっかりとできていないと支持力が発揮されないということになります。 日経アーキテクチュア:ですよね。で、土丹ですから、羽根がきちっと開かない、もしくは、根固め部で十分太くなる、十分な大きさを保てない危険性もありませんか。 前嶋:事前の施工試験等々によって、その辺は確認をしておりますので。 日経アーキテクチュア:試験杭のときに確認をしている? 前嶋:先ほど言いました、載荷試験のときに。 日経アーキテクチュア:載荷試験のとき。 前嶋:はい。 日経アーキテクチュア:では、工法として適切だったと、御社は現在でも考えてらっしゃるという認識でよろしいですね。 前嶋:適切かどうかといいますと、基本的にわれわれはいろんな杭工法の中で選ばれたと思われますので、その辺、例えば、既製杭だけではなくて、場所打ち工法もあれば、その中でいろんな工法がある中で選ばれたというところの中で言いますと、ちょっと今、適切かどうかっていうのは、われわれのほうとしては、今、判断ちょっとしかねる。 日経アーキテクチュア:御社では土丹層の地盤で、しかも斜面が、支持層がかなり斜めになっているような地盤で、DYNAWING工法を採用している事例はほかにもございますか。 前嶋:ございません。 日経アーキテクチュア:1件だけですね。 前嶋:はい。 日経アーキテクチュア:それからもう1点、ほかにも質問あるでしょうが、1点だけ確認させてください。昨日、三井住友建設さんが旭化成建材さんを信用し過ぎたことに抜かりがあったとおっしゃいました。この見解は正しいと思われますかね。 平居:三井住友建設さんがどう思われてるかということについては、それは三井住友建設さんの思いでありまして、それに対してわれわれがコメントする立場ではないと思います。私たちはこれから一生懸命、自分たちのやったことについて向き合いながら、より良い解決していきたいと思ってるだけでありまして、三井住友建設さんもちょっと、皆さんが感じられることについて、正しいとか、正しくないというふうにコメントする立場でもないですし、コメントしようとも思いません。