【MLB】 三塁手ブレグマン争奪戦にフィリーズ参戦の可能性? 正三塁手ボームにトレードの噂
ナ・リーグ東地区覇者のフィリーズが三塁手アレックス・ブレグマンと契約することを予想する声があると、「ESPN」のバスター・オルニー記者が自身のXでポストした。ブレグマンはアストロズで2度の世界一に貢献したスター三塁手で、今オフはFAとなっている。古巣アストロズも再契約に注力しているが、ブレグマン争奪戦にフィリーズという資金力ある球団が参戦する可能性もあるようだ。 【動画】アストロズ・ブレグマンが4戦連発となる本塁打!
日本時間13日、オルニーは「ライバルの査定者から聞いた最も興味深い予想は、フィリーズがアレックス・ブレグマンを獲得するというものだ。彼のスイングはあの球場(フィリーズ本拠地シチズンズ・バンク・パーク)で通用し、守備力は強く、ポストシーズンの活躍は多い」とポスト。ブレグマンはこれまで2度のオールスター選出、ゴールドグラブ、シルバースラッガーに輝いた実績があり、2度の世界一を成し遂げた黄金期アストロズの中心メンバーだった。 しかし、フィリーズには今季初めてオールスターに選ばれたアレック・ボームという正三塁手がいる。ボームのOPS+117は、ブレグマンのOPS+118と攻撃力はほぼ同じ。名手ブレグマンほどではないとはいえ、ボームの三塁守備も年々改善してきた。ボームの方がブレグマンより3歳若く、高額と見込まれるブレグマンの契約より安上がりな選択肢であることは間違いない。ただ、ボームは後半戦はOPS.681(前半戦は.830)と今季は急失速し、プレーオフではスタメン落ちも経験した。 そこでボームは今オフのトレード候補に挙がっているという。「地区シリーズでメッツに敗れ、不本意な結果に終わったフィリーズは、チームの刷新を目指してボームをトレードに出す可能性がある」と、13日に「ESPN」のジェフ・パッサン記者が報じた。 後半戦の失速で信頼を損なったボームの代わりに、ブレグマンが加わればフィリーズにとっては大きなアップグレードになることは間違いない(さらにボームのトレード放出による対価で補強も可能になる)。ただ、フィリーズにとってブレグマン獲得はリスクも孕んだ決断になるだろう。フィリーズは既に32歳の一塁手ブライス・ハーパーと2032年まで、遊撃手トレイ・ターナーとは2034年まで、先発投手アーロン・ノラとは2031年まで、35歳の先発投手ザック・ウィーラーとは2027年までの高額で長期間に及ぶ契約を残している。 現在はスター選手としてチームを支えるこれらの選手でも、高齢化による衰えのリスクは除外できない。衰えたベテランとの長期契約を多数抱える窮状に陥れば、2008年に世界一を成し遂げた前回の黄金期から低迷期への転換期とも重なる。前回とは異なり、今のフィリーズの育成システムは遥かに強固であるように見えるが、今のベテランとの長期契約にブレグマンの契約が加わるのはリスクでもある。 ブレグマンの契約は7年1億8200万ドル程度と、移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は予測している。古巣アストロズのデイナ・ブラウンGMはブレグマンとの再契約を「今オフの最優先事項」に挙げており、その争奪戦は白熱することだろう。 フィリーズのオーナーであるジョン・ミドルトン氏は「契約サイクルやマイナーにいる選手の台頭を考えると、ペイロールは下がるどころか上がると予想している」と、総年俸の引き上げを示唆。ニック・カステヤノス(26年限りでFA)、カイル・シュワーバー、J・T・リアルミュート(共に来季限りでFA)との高額契約が終わりに近づいていることも、今オフの大型契約を後押しするかもしれない。仮にブレグマン獲得が成功すれば、フィリーズはリスクを取っても近い内の世界一を目指す姿勢をまた鮮明にすることになるだろう。