「真実の報道」か、「認知戦」か――ロシア・メディアの正しい読み解き方
ロシアでもインターネットメディアの重要性は増している (C)Hadrian / Shutterstock.com
様々な報道をどう解釈し、その信憑性をいかに見分けるべきかは難しい問題である。ロシア・ウクライナ戦争をめぐってフェイクや認知戦の問題が取り沙汰されている現在、それはなおさらだ。報道を解釈する際の判断材料の1つとなるのが発信元に関する情報だが、ロシア・メディアとなるとそれを得るのも容易ではない。そうしたことを踏まえ、戦争の関連ニュースを理解する一助として、ロシア国内におけるそれぞれの位置づけに注意しつつ、開戦後の主要なロシア・メディアに関する個人的理解を共有したい。 テレビの衰退が論じられつつも、その影響力は依然として大きい。ロシアでも事情は同じで、独立系世論調査機関レヴァダセンターが今年3月に行った調査では、回答者の64%が主要な情報源としてテレビを挙げており、年齢層が高いほどこの傾向は強い 1 。プーチン政権もそのことをよく理解しており、ウクライナ侵攻開始以前から、主要テレビ局は政府系企業等の出資を受けるなど、政権の影響下に置かれていた。
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岡部克哉