通販・EC、訪販企業の倒産が急増している理由とは? 競争激化とコスト増で過去最多のペース【2024年】
東京商工リサーチの調査によると、インターネット通販を中心とした「通信販売・訪問販売小売業」の倒産が急増している。
2024年1~7月の倒産件数は前年同期比47.5%増の90件(前年同期は61件)と、同約1.5倍に増加している。
2024年に倒産した「通信販売・訪問販売小売業」の内訳は、企業規模で見ると資本金「1000万円未満(個人企業他含む)」が75件(構成比83.3%)、負債額「1億円未満」が81件(同90.0%)、従業員数「10人未満」が86件(同95.5%)。小規模、零細規模の事業者が多くを占めている。 コロナ禍における巣ごもり生活で、インターネット通販を中心に消費者による無店舗販売への需要は増加。通信販売・訪問販売小売業の倒産件数は2021年同期で30件台にとどまっていた。しかし、その後は同業者との競争激化などから3年連続で増加をたどっている。 通信販売・訪問販売小売業の新設法人数については、コロナ禍以前の2019年は1136社だったが、コロナ禍の2021年にピークの1668社まで増加。2023年も1525社と高止まりで推移している。 体力の乏しい小・零細事業者を中心に、売上減少と競争激化、コスト上昇による利益圧迫といった厳しい事業環境の継続が懸念されている。現状のペースをたどると、通信販売・訪問販売小売業の倒産件数は年間で過去最多(2023年の112件)を更新し、「集計開始以来初の150件台に乗せる可能性が出てきた」と東京商工リサーチは説明している。