7000人診察して見えた、どんな会社にも「職場を腐らせる人」がいるという「残酷な現実」
できるだけ避ける
ある人が職場を腐らせる人だと気づいたら、最良の解決策は、できるだけ避けることである。職場を腐らせる人を変えるのが至難の業である以上、これは当然といえる。 たとえば、同じ職場で働いている場合、勤務の時間帯を変更するとか、向こうがよく行く場所には足を向けないようにするとかして、なるべく顔を合わせないようにする。場合によっては、異動や転勤を申し出るという選択肢だってあるかもしれない。 そこまでするかと思われるかもしれないが、職場を腐らせる人は、あれこれケチをつけたり、その場にいない人の悪口を言ったりして、重苦しい雰囲気を醸成し、不和やもめごとを引き起こす達人なので、避けるのが最も賢明だ。 もっとも、顔を合わせないようにしようとしても、そうはいかない場合もあるだろう。異動も転勤もできないとか、生活がかかっていて退職もできないとかいう場合、同じ職場でずっと働き続けなければならない。 そういう場合は、できるだけ話さないようにするしかない。ただし、表面上は、礼儀正しくしておくべきである。天気や暑さ寒さなどの当たり障りのない話題にとどめておいて、深入りしないことだ。 間違っても、あなたの私生活や心配事などを話してはいけない。というのも、あなたがつい話してしまった内容を、職場を腐らせる人は、都合のいいように解釈したり脚色したりして、言いふらしかねないからである。 できるだけ避け、話さないようにすることをためらう方も少なくないだろう。そういうやり方は、逃避であり、「逃げたら負け」「逃げるなんて、臆病者のすることだ」などと思う方もいるに違いない。しかし、職場を腐らせる人から逃げなければ、心身がボロボロになることもあれば、自殺に追い込まれることもある。 だから、最終的には、職場を腐らせる人がいるところから撤退する、つまり辞める決断をすることも必要になるかもしれない。こうした決断を容易にするために、今後は雇用の流動性を高め、横の移動をしやすくすることが求められる。