Google ChromeのサードパーティCookieの廃止 規制の流れと対策を解説
サードパーティCookie、SafariではITPで制限済み Google Chromeも廃止予定
続いて、柳井氏がITPやGoogle Chromeによる技術面での解説をしていった。サードパーティCookieが使えなくなる話は、3、4年前から話題になっていた。2020年に柳井氏が解説したマンガがWeb担に掲載されているので、マンガを読むと概要がわかる。
Appleのブラウザ「Safari」では、以前からITP(Intelligent Tracking Prevention)というユーザーの行動を追跡・分析するトラッキングを制限する機能が搭載されていたが、Google ChromeでもサードパーティCookieが廃止が検討されている。 サードパーティCookieや、ファーストパーティCookieという言葉があるが、そもそもCookieとは何かからおさらいしよう。 ■ [おさらい(1)] Cookieとは? Webサイトを閲覧するうえで、一時的に記憶しておくと便利な情報がある。たとえば、以下のようなものだ。 ・ログインを必要とするサイトのログインステータス(ログイン状態を維持する) ・動画再生で一時停止したタイミング(続きから再生する) ・不動産サイトでお気に入りに保存した物件(お気に入りを後から見る) ユーザーが動画のどこまで再生したかという情報を、動画サイト側がそのユーザーのブラウザに記録しておくことで、次にその動画を開いた時に続きから再生できる。このような情報の格納場所をCookieという。技術的な仕様としては、Webサイト(サーバまたはJavaScript)から発行され、有効期限がある。 動画再生の例の場合、「このブラウザで、ここまで再生した」という情報なので、個人情報ではないし、ユーザー自身にメリットがある。自社サイトでの情報(行動履歴)を自社サイトのサービスに利用しているので、ファーストパーティCookieと呼ばれ、規制の対象ではない。 ■ [おさらい(2)] なぜ、Cookieが制限されているのか? では、「なぜCookieが問題になっているのか」というと、個人情報文脈で利用されるようになり、Cookieを個人あるいは個人のブラウザやデバイスを識別する識別子として使うことができるからだ。 たとえば、サイトを来訪したユーザーの属性が「男性、30歳、独身」だとわかっても、それが誰なのか特定できないと、あまり役に立たない。