動画コンテンツ制作自動化の最前線、ViviとAIツールが示す動画マーケティングの未来
進む動画マーケティングの自動化、動画編集系のAIツール続々
Viviとは少し異なるが、AIによる自動化で動画マーケティングを支援するプラットフォームは複数存在している。 Vidyo.aiは、AIを活用して長い動画から短いクリップを自動作成するツールを提供している。ソーシャルメディア向けのクリップを自動的にカット&キャプションをつけることで、時間と労力を90%節約できるというものだ。 同社は、あらゆるソーシャルメディアサイト向けの無料テンプレートを用意しており、ビジネスユースケースに合わせてカスタマイズできる。マルチカメラや複雑な動画も、フレーミングやシーンチェンジ検出機能により、簡単に編集できるとしている。 また、自動字幕生成機能により、フォントスタイル、色、絵文字の自動追加、特定の単語のハイライトなどのカスタマイズも可能で、グローバル展開もしやすいという。ブランドテンプレートやアウトロの追加により、動画をブランディングに合わせて仕上げることも可能だ。 ロイヤリティフリーのストック画像、動画、音声を使って、ストーリーテリングを強化するB-roll映像の追加も容易。AIを活用したコンテンツアシスタントにより、動画をブログ記事、リンクトインの投稿、ツイートなどに再利用することもできる。さらに、フェイスブック、インスタグラム、リンクトイン、YouTubeなど複数のソーシャルメディアアカウントへの動画の同時投稿機能も備えている。独自のAIが算出する「バイラリティスコア」も提供。ショート動画、リール、TikTok動画などがどの程度バズるかを事前に予測できるという。 利用料は、月間300分まで動画生成できる「エッセンシャル」プランで月額35ドル、600分まで生成できる「グロース」プランで50ドル。
Vidyoの直接競合Submagic
Vidyoと直接的に競合するのがSubmagicだ。 SubmagicもVidyo同様に、キャプション、B-roll、ズーム、サウンドエフェクトの自動追加機能を提供。最新のトレンドテンプレートを使ってコンテンツを向上させ、自動絵文字でエモーションを加え、キーワードのハイライトで要点を強調できる。 自然言語処理アルゴリズムにより、48言語で動画のキャプションを自動生成できるという。Vidyoが現時点で、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語に制限されていることを考慮すると、対応言語の数ではSubmagicが優位だ。 AIを活用したストック動画やトランジションの自動追加も可能。戦略的なズームや自動カットで、重要な瞬間を強調し、視聴時間を伸ばす工夫を自動で追加できる。また自動生成される説明文とハッシュタグで、リーチとエンゲージメントを高めるキャプションも簡単に作成できる。 リンクトインが2024年に新しい動画機能をリリースする予定であることを踏まえると、これらのAI動画ツールの重要性はさらに高まると思われる。リンクトインの新機能は、他のソーシャルメディアプラットフォームと同様の縦型動画を中心としたもので、短い動画で、アテンションとエンゲージメントを狙う機能といわれている。 Submagicは、このリンクトインの動向を注視しており、リンクトイン動画に特化したテンプレートなどをリリースする可能性もある。 マーケティング専門家であるモーリス・A・デイビス氏は、リンクトインがこの機能を導入する理由について、ユーザーのプラットフォーム滞在時間を増やすためだと指摘。もし、リンクトインユーザーが、月に1回多くログインし、1セッションあたりの滞在時間が数分伸びるだけで、広告主にとっての価値は100倍になるという。 リンクトインでは現在、ユーザーの48%が少なくとも月に1回はログインしており、1セッションの平均滞在時間は7分40秒。新しい動画機能の導入により、ユーザーのリピート率と滞在時間の向上が見込まれる。 B2Bマーケティングにおいても、動画コンテンツの重要性は高まっている。ピエール・エルベル氏の調査によると、回答者の66%が、コンテンツマーケティング戦略の一環として、短尺の縦型動画コンテンツに投資する予定だという。