レクサス「LBX MORIZO RR」はLBXの皮を被ったGRヤリスだ!304psの高級スニーカーの中身は?
クルマ好きがワクワクする、細部までこだわった造り込み
強力なパワートレーンとは、前述したようにGRヤリス、それも2024年1月に登場した進化型と同じで、G16E-GTS型の1.6L直列3気筒ターボを指す。ベース車はシステム最高出力100kWを発生するハイブリッドシステム(エンジンはM15A-FXE型の1.5L直4自然吸気)を搭載する。 G16E-GTS型の最高出力は224kW(304ps)/6500rpm、最大トルクは400Nm/3250-4600rpmだ。トランスミッションは6速MT、もしくは8速ATが選択できる。駆動方式は電子制御カップリングをリヤデフ前に配置するAWDだ。前後の駆動力配分は、LBX MORIZO RR専用にチューニングしている。 タイヤは235/45R19サイズを装着。ベースのLBXは225/55R18なので、ワンサイズ幅広だ。その幅広タイヤを収めるため、前後フェンダーにアーチモールを追加。全幅はベース車比で15mmアップの1840mmだ。4190mmの全長と2580mmのホイールベースに変更はない。全高は1535mmで、ベース車より10mm低い。タイヤ外径の違いとコイルスプリングで下げている。 スペック表上の全高の違いは10mmだが、ルーフの最高点で比較すれば、MORIZO RRはベースのLBXに対して25mm低くなっているという。スペック表での違いが10mmに留まっているのは、MORIZO RRがシャークフィン型のルーフアンテナを装着しているからだ。ベース車はルーフアンテナを搭載していない。機械式立体駐車場の利用を考慮して全高を1550mm以下に抑えるため、日本仕様のみアンテナ機能をスポイラーの中などに分散して配置しているからだ。 前席のフロアに対するヒップポイントはベース車に対して10mm下げたというから、車高の低下分も含めると、MORIZO RRの地面基点のヒップポイントはベースのLBXに対して35mm下がっていることになる。なかなか大きな違いだ。室内では、ブレーキペダルの踏面角をベース車に対して変更したのが変化点(全ペダルのパッドをベース車の全面ゴムからアルミに変更している)。サーキット走行時のペダルストロークに合わせるためだ。 サーキット走行時はブレーキペダルのストロークが長くなる(奥まで踏み込む)。するとペダル踏面が逃げて接触面が減るため、フィーリングが良くないとのフィードバックが(佐々木選手など)評価ドライバーからあった。そこで、パッドの取り付け角をフロアに対して4度寝る方向に変更。深く踏み込んだ際に広い面積で足裏と接触するようにし、フィーリングを向上させた。 MT車はサイドブレーキのレバー比をGRヤリス比で変更している。雪道などでターンする際にストローク量が小さくてコントロールしづらいとの指摘から、レバー比を大きくして(操作力の低減を図ると同時に)ストローク量を増やした。このエピソードひとつ取り上げても、MORIZO RRの走りへのこだわりが感じられる。 技術的なハイライトのひとつは、塗布型剛性アップ材のREDS(Response-Enhancing Damping Structure)だ。フロントのロワーアームに熱硬化性樹脂を塗布することで断面変形を抑制。1.5倍の剛性アップを図るにより、ベース車に対して操舵応答性を高めている。鉄板を溶接するなどの従来技術で剛性向上を図るより重量増は小さくて済むし、振動減衰の効果で乗り味が上質になる副次的な効果も得ることができたという。
【関連記事】
- 三菱「パジェロ」復活へ...…新型は「アウトランダー」をベースにした高級PHEVになる!? ライバルはランクルかレクサスGXか?
- レクサスはスノーピークとコラボ!「人と自然とモビリティの共生」をテーマに世界観を表現【東京アウトドアショー2024】
- SUVでもやっぱりコイツはフェラーリ! プロサングエの725馬力/V12をストリートで初乗りチェック。「見るべき技術がてんこ盛り!」 【清水和夫SYE試乗】
- 2026年デビューが有力視される次期型レクサスUXを大予想!MAX350PS&航続距離800kmのBEV専用モデルに?
- 日本版フェラーリ「プロサングエ」だ!トヨタGRフラッグシップSUVに「クラウンスポーツ」の噂