LVMHのアルノー会長、次男と三男を取締役会に加える意向を明らかに 「カルティエ」買収のうわさについても言及
アルノー会長が考える“最高峰”のラグジュアリーブランドは?
また、アルノーLVMH会長兼CEOは、米「ブルームバーグ(BLOOMBERG)」が「LVMHはファッションに加えて、ワインやセレクティブ・リテールなど性質の全く異なる部門を抱えているがゆえに、株価が割安に推移している。事業を分割したほうがいいのではないか」という論旨の記事を掲載したことに対し、「(事業分割は)いかなる状況下でも考えられない。全く不適切な意見だと思う」と一刀両断。この話題に関連して、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「シャネル(CHANEL)」「エルメス(HERMES)」をソフトラグジュアリー(ファッションやレザーグッズなど)の、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ブルガリ(BVLGARI)」「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ& アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」をハードラグジュアリー(ウオッチやジュエリー)の最高峰と考えていると述べ、「当社はこの8ブランドのうち半数を保有している。今後、買収などによって傘下ブランドを増やすのか、傘下ブランドがこの8ブランドと肩を並べられるようさらに発展させていくのかについて、様子を見て考えたい」と話した。
ライバル・リシュモンや「カルティエ」買収のうわさについて
LVMHが、ライバルであるコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)や、その傘下ブランドである「カルティエ」の買収に関心を示しているという兼ねてから流れている憶測に関しては、「(リシュモンの)ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は比類のないリーダーであり、その戦略に干渉しようとは思わない。彼は、今後も独立性を維持したいと考えているものと理解している」と語った。なお、ルパート会長はこの件について、リシュモンが23年5月に開催した決算説明会で「いずれも売るつもりはない」と一蹴し、アルノーLVMH会長兼CEOからアプローチを受けたことはないと明言している。