【太陽フレア】今後も“大爆発”は続くか...11年周期で太陽の活動は活発化 スーパーフレア発生で甚大な被害!?研究者が解説
―――過去の太陽フレアの影響についてですが、1989年にはカナダ・ケベック州の全域で大規模停電が発生し、9時間復旧しませんでした。2001年には航空機と成田空港の間で2時間にわたり通信障害があったということです。また、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士は被ばくするリスクがあるということですが、地球にいる人の体への影響については? 「紫外線の影響はあり得るんですけれども、その辺は基本的には地球の空気が守ってくれているので。この地球の空気で反射したり吸収したりという作用があって、そういう意味ではその光での直接的な影響は大きくはないはずです」
スーパーフレア解明のキーワードは「黒点」
―――こうした中で、総務省が太陽フレアによる「最悪のシナリオ」を予想しています。例えば▼携帯電話・テレビが利用できなくなる▼110番・119番がつながりにくくなる▼飛行機は全世界的に運航見合わせ▼カーナビが正常に機能しない▼停電が広域に発生▼天気予報の精度が劣化などです。太陽活動の活発化は11年周期ということですが、前回はそれほど大きな被害がなかったのでしょうか? 「基本的に、総務省が示した例にあるような感じのことは何に起因しているかというと、通信障害なんですね。通信ができないことで、携帯電話やテレビとかもそうですし、飛行機も通信ができないあるいはGPSとかがつながりにくいので場所をとらえにくいということで、こういう話になっています。10年前のときの活動周期にももちろん影響はあったはずなんですが、その時よりもさらに通信に頼る生活になっている。そういうことで影響が大きくなっているというのはたぶんあるんだろうと思います。太陽の活動度に関しても、前回のときよりは強く既になってきているというのもわかっています」 ―――野上先生の見立てでは、今回の太陽フレアの10倍以上=スーパーフレアが起これば、地球文明が甚大な被害を受ける可能性があるということなんですね? 「我々はですね、夜空に輝く星は基本的に太陽と同じようなものであるという考え方から、太陽を10万年観測するのと同じような感じで星10万個を1年観測するというふうな感じで研究しています。太陽と似たような星で、こういうスーパーなフレアが起こることは確実にあるのはわかっています。ただし、頻度としては数千年に1回というふうな感じです。スーパーフレアが起こるかどうか、キーワードは『黒点』ということで、この黒点に溜まっている磁気エネルギーが大きくないと大きなエネルギーのフレアが起こらないということなので、今のところは、この黒点がどれだけ大きなものが出てくるかというのを皆さん注目していただければいいかなと思います」 (2024年5月13日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)